ゴールデンウィークが終わろうとも塚口では注目作品がどんどん上映されているのでもはや体が足りません。
というわけで今日見てきたのはこれ!
予告からとんでもないカオスな内容で面白そうだったので見てみることに。
感想としては、基本骨子はシンエヴァ、ゲームシステムはリアルタイムこの世の果てで恋を唄う少女YU-NO、アクションはマトリックス+ジャッキー・チェン、ギャグのノリはポリス・アカデミーと言った感じでしょうか。なんなんだこのカオス映画は。
「おもちゃ箱をひっくり返したような」という表現がありますが、本作はまさにその表現がぴったりな作品だったと思います。
そもそも映画の楽しみのひとつに「現実では決して見られない映像を見ることができる」があると思うんですが、本作ではまさに「平行世界にアクセスする」という映像をあまりにも破天荒な映像で見せてくれます。個人的にはこういう映像は実写はアニメーションに一歩譲る部分があると思ってましたが、いやーすごいです本作の映像は。平行世界を扱った作品はたくさんありますが、主人公であるエヴリンのさまざまな可能性としての並行世界がまさに津波のごとく押し寄せてくる映像表現は圧巻の一言。それを劇場のでっかいスクリーンで見るともうたまらん。これだよこれ映画館で映画を見る楽しみは。
そして本作で面白いのが、この「平行世界へのアクセス」を戦闘手段として用いている点。どういうことかというと、平行世界の自分のスキルを引き出して戦うというアイデア。これによってただのおばさんであるエヴリンは突然カンフーの達人になって戦えるわけです。これがただ単に戦闘手段というわけではなく、「なれていたかもしれない自分の姿を垣間見る」というか「なれていたかもしれない成功した自分の姿に一瞬なれてしまう」というかたちでもうつかめない可能性を見せられてしまうのがあまりにも悲しい。
そして、この並行世界にアクセスしてスキルを習得するためのスイッチとなっているのが「最強の変な行動をする」というもの。なので本作の戦闘シーンでは、敵も味方も「靴を左右逆に履く」から始まり「いきなりおもらしする」「敵に本気で愛の告白をする」「アヴェマリアを歌い始める」「柱を舐める」などの突飛な行動からスタートします。さらに最終的には「XXのXXにトロフィーを入れる」というあまりにあまりなスイッチを入れようとするシーンは完全にポリスアカデミーのノリでした。このブログは健全なブログなので直接的な表現は避けます。
この「リアルタイムで平行世界にアクセスしつつ戦う」というのが前述の「ゲームシステムはリアルタイムこの世の果てで恋を唄う少女YU-NO」という部分ですね。戦闘シーンの描写は「マトリックス+ジャッキー・チェン」、ギャグは前述の通り「ポリスアカデミー」。
では基本骨子が「シンエヴァ」なのはまさに「マルチバース全体を巻き込んだ戦いが最終的には『親子という極めてパーソナルな関係』に収束する」という点。
無数の世界、人間が発生しなかった世界ですらエヴリンとその娘であるジョイは出会い続けます。しかしジョイは謎の存在「ジョブ・トゥパキ」に取り憑かれており、二人はさまざまな形で戦います。
正直なところこの作品に散りばめられたモチーフすべてを把握するには至りませんでしたが、しばしば「同じところを回るだけ、虚無へにとつながる穴として配置されているコインランドリーのランドリー、マンホール、ドーナツ、領収書に書かれた丸、そしてベーグル」には気づきました。それらはおそらく虚無への入り口である「穴」であるとともに同じところを無限に繰り返す「輪」として示されていると感じました。
それが最終的に「覚醒」のモチーフである第3眼、つまりグラムサイトとして機能し始めるのがまたモチーフの使い方としては非常に上手い。
そこから、今までの自分にあったはずの成功のルートをすべて把握しつつも今の現状を受け入れるというラストに持っていくのはまさに「収束」「収まるべきところはここだった」という感のある作品で、鑑賞後は爽やかな気に分になれました。
とにかく要素の多い作品なので、もう数回は見てみたいかも。