溜まってる同人誌感想も少しずつ進んではいるものの、また新刊が少しずつ増えてきました。例大祭も近いので終わらせられる分からどんどん終わらせていきましょう。
・ワンスアポンあたいム(北国もやし製造所)
「あたいとげんそーきょー」シリーズで賑やかな幻想郷の面々を描いている本サークルさん、今回は大きく毛色を変えて、はるか昔に生まれたさいきょーの妖精ことチルノの、今に至るまでの物語を絵本風にまとめた一冊。
本作は画風だけでなくサイズもいつものシリーズとは異なっており、横長のA4サイズになっています。そのため、画面の広さを強く感じられる画面構成になっており、未だ人の手が入らない古代の世界の広大さと寂寞感が非常に強いのが印象的でした。というかゆっくりってそんな昔から存在したのか……。
そしてそんなチルノは、霧の湖に立ち入ってきた妖怪たちを退治するひとりの陰陽師の人間に出会います。妖精ということで容姿もやってることも性格もなーんにも変わらないチルノとは対象的に、わずかな時間=コマの中で陰陽師が徐々に老いていくのが印象的。そして……。
こうした「人外の存在と人間との物語」にてクローズアップされるのはやはり「寿命の差」「あまりにも短い人間の寿命」なわけですが、この点について「チルノは気づいている、わかっているのにわかりたくない」という描写がいいんだ……。「あたいとげんそーきょー」シリーズではひたすら元気で悪ガキなチルノの意外な一面を見た思いでした。
そしてまた22ページの、今まで自分の世界のすべてだったはずの霧の湖の小ささを改めて知るこのシーンで本作の横長のレイアウトが実に上手く効いてくるのがまさに創作巧者といった感じです。
今日はここまで。