※この日記は27日に書かれていますが気にしてはいけません。刻が未来に進むと誰が決めたんだ。ターンAターン。ん”~~ん”ん”~~。(ホーミー)
・東方在庫合同(すずだんご)
 第17回紅楼夢戦利品レビューも残り2冊(ペーパー含めて3冊)となりましたので一気に終わらせたいと思います。
 さて本作は、同人作家ならば宿命として向き合わなくてはいけない最大の敵「在庫」をキーワードとした合同誌。
 同人誌に限らず、さまざまな形の「在庫」をテーマとしたイラスト2点+小説19編の合計21作品が楽しめます。それでは作品ごとに感想を。
・設営完了! H-129でお待ちしてます!(欅ちまき氏)
 東方公式でまさかの同人誌を出した秘封倶楽部のふたりのイラスト。横にはパンダパーカーの似合う菫子もいますが結局蓮メリとの関係はどうなんでしょうか。しれっと参加してる袿姫さん、これ自分のサークルの新刊持ってきてますよね明らかに。
・冬の全国同人安全運動(フメイ氏)
 か、悲しすぎる……この1枚のイラストから感じられる悲しみの重さよ……。実際twitterなんかでこのレベルで在庫入りのダンボールが積み上がってる恐怖画像を見かけたことがありますが、このイラストは決してフィクションではないってことなんですよね……怖すぎる……。
・秘封倶楽部は在庫爆死の夢を見る(壕野一廻氏)
 のっけからイヤ~なタイトルが来ましたよ。紙の本がもはや伝統文化の位置を占めるようになった時代での秘封倶楽部の同人活動のお話。ペーパーメディアが衰退しきった時代にあえて「在庫を抱える」という行為にスリルを見出す秘封倶楽部の姿に、「物理書籍」というものが一種の怪異となった未来を垣間見ました。
・在庫と名声と情熱の間(町田一軒家)
 東方で本を出しているというとまず名前が上がるのがアガサクリスQこと稗田のあっきゅん。そこに小鈴ちゃんが絡んでトラブルが発生しないわけがあろうか、いやない(反語)。阿求の欲望に反応して在庫が文字通り生えてくるという恐怖展開にわたくし青ざめずにはいられませんでした。調子に乗って増刷しまくって在庫抱えるオチがとっても寓話的。
・アクアリウムにご用心(苗州烟氏)
 本作の在庫は本よりもさらに厄介な生物系在庫であるレッドビーシュリンプ。生物系在庫は生物それ自体以外にも必要な設備やスペースなどが無限に湧き続ける無間地獄であるということを嫌というほど思い知らされる一編でした。蓮子はこういうのに見境なくハマりそうだよな……。
・人形は総仕舞の夢を見るか(詠人知らず氏)
 手放すことも、誰かに預けることも、処分することもできないアリスのやるせない思いを「不良在庫」としているのが「在庫」というテーマを非常に上手く組み込んでいると思いました。ものを作るという行為を日常的にやってるアリスを主役としてチョイスしてるのも上手い。
・~東方自転車娘外伝~走れ!マンゴー(滄海氏)
 タイトルからいったいどんな話かと思ってたら、「ベロモービル」と呼ばれるカバー付きの競技用自転車のレースを行う話でした。そんな自転車があるなんて初めて知った。そんな珍しい自転車の在庫を抱えるハメになるのが新しもの好きなレミリアっていうのがなんとも東方的。思いつきで色々やりそうだよなおぜうって。
・海暴雲味の霊魚(ぐい井戸・御簾田氏)
 これまた売れ残るととても困る商材としての魚介類という在庫に悩む潤美さんが主役の一編。まさかの古代生物飯テロで腹が鳴ります。映姫さまにお説教される潤美さんかわいい。そしてアウトレイジャー吹いた。どうぞニチアサでキッズたちの性癖を歪めてあげていただきたい。
・悪癖-No Bad-(CoCyan64氏)
 ブラックコーヒーのように苦い思い出としての在庫。魔理沙の過去は東方二次創作における古典的テーマのひとつですが、本作は今までにない感じのアプローチで魔理沙の過去を「在庫」という「ずっと残り続ける思い」として描いているのか印象的。
・サブカルクソオカルティシャン(そひか氏)
 まあ……東方界隈はもはや性癖の見本市と化してますし、その中でも秘封界隈は特に病がはびこる魔界なので男体化BL18禁も普通にあったりするんだろうなあ……。とギャグに降った展開と思いきや、自分が描いてきた作品という黒歴史である在庫に物理的に押しつぶされるというのがなかなかのホラー。
・棚卸しについての三つの考察(いってつ氏)
 在庫のめんどくさい側面のひとつである「何がいつどこに行ったかわからない」という点にスポットを当てた一編。物品の行き来の面倒くささと人間関係がうまくマッチした一編でした。
・小さなことからコツコツと(ハザマリスト氏)
 こーまりです。「星を目指す」という走性を持つ魔理沙。準備を進める彼女を静かに見守りつつも「物品の在庫の重要性」という側面から導く香霖が兄のようであり、父のようであり、そして恋人のようでもあり、ふたりの関係性を表していると感じました。
・インベントリィ・インベンション(perique氏)
 「系の外側からエネルギーを取り入れる」、つまり幻想郷の外から、幻想郷の中へと「それ」を取り入れて「在庫を確保する」。その在庫とは……。いわゆる「幻想入り」なわけですが、「在庫」というキーワードからそれを持ってくるのがまた上手い。
・キャッサバ畑で(ブームを)追いかけて(タナバン=ダルサラーム氏)
 一世を風靡して今やどこに行ったのかと思われていたタピオカドリンクですが、現世で忘れ去られたら幻想入りしてるというわけで、アリスと魔理沙が幸せな将来設計のために大量に抱え込んだキャッサバをどうにかしようとするお話。なんかキャッサバの在庫はそっちのけで全力でいちゃついてますがふたりが幸せならOKです。
・ライターゲーム(赤城のく氏)
 鈴奈庵、まさかの紅魔館に合併! 小鈴を救うべく阿求は、紅魔館との第1回ビブリオバトルに挑む! ビジネスにおける「在庫」の使い方をテーマとした一編。なんでみんなさまざまなアプローチで鈴奈庵を燃やそうとするのか……。
・第百二十七季2月3日 うさぎがおばけを想うとき(保冷剤氏)
 オートバイに乗る練習をする妖夢とそれをサポートする鈴仙のお話。本作における「在庫」は万が一のときに備えて鈴仙が用意していた」医療品。妖夢が上達していくにつれて使わなくなっていったそれらの在庫は、しかしそれがあるということから生じる安心感を妖夢に与えていたという「在庫があることによる安心感」というポジティブな側面を全面に出した一編でした。
・ろくろ首十九番目の独白(銅折葉氏)
 本作の「在庫」はなんとばんきちゃんの増やした頭。ばんきちゃんの自我はどうなってるんだろうか。余り物の在庫として天井裏に押し込められた十九番の、なんとも身につまされる愚痴が笑えるやら切ないやら。一種の擬人化ものとしても読めるかもしれません。
・在りし日の宝物庫(土露団子氏)
 濃厚なレイマリごちそうさまでした。レイマリはこういう遠回しなのがいいんですよねうんうん。本作における「在庫」は「子供の頃の心残り」なわけですが、それを処分するところまでを描いているのが「在庫」というテーマをうまく活かしていると思いました。
・サークルと在庫。またはわたしは如何にして心配するのを止めて在庫を愛するようになったか。(久樹輝幸氏)
 在庫合同の最後を飾るのは、同人誌の在庫についてのガチ考察。さまざまな資料を用いて在庫……というか、もはやほとんど同人サークルの運営についての指南書としての内容になってます。同人サークルとして活動することは、すなわち宿命的に在庫を抱えるということなんだなあ……。
 今日はここまで。
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