扉を開け中に入ると外とは異なり、一般的な事務室のような清潔感のある空間が広がっていた。進むと最奥に『第一保健室』と書かれた両開きの扉を見つけた。
保健室の扉というより天国一歩前の扉と形容した方がいいそれを開けようとした瞬間、扉がゆっくりと開き始めた。
室内からは薬品のようなじっとりとした空気が莉緒の鼻へ流れる。反射的に腕をあてがい、これ以上吸い込まないようにしつつ、周りを観察すると一人の女性が背を向けて座っており、何か機械のようなものを操作していた。
後ろ髪は煌めく華麗な銀色、肩までかかるそれは毛先にウェーブがかかり波打っている。
羽織っている白衣から彼女がここの保険医であると予想した莉緒は問いかけた。
「座っているあんた、ここの保険医で間違いないか?」
問いかけると椅子を回転させ莉緒へと向き合う女性。
前髪は左目に垂れかかり覆っている。後ろ髪はミディアム、毛先を根元まで上げ結んでいる。顔付きはそこらの女性が嫉妬し、身体付きは男性にとっては暴力になるレベルだろう。
紫瞳は、
そして、源理とはまた違った、しかし非常に酷似した圧倒的な存在感。
体つき、その美貌、から感じられるだけではない。能力源者(エレシオン)特有の、それもそんじょそこらにいるレベルではない。
(私の事情が事情なだけに、ある程度の力を持つ者の監視が付くとは思っていたが、化け物レベルがこうも出てくるか)
莉緒は魔法少女として活動していた時、勿論自分より強い能力源者には会ったことがある。
例えば、上官であった涼元薫。彼女は魔法少女の先にある形、魔女だ。
魔女の説明
次に星薙愛惟。彼女は当時の魔法少女最強であった。その魔力量、技術、勘、どれも他の追随を許さず、彼女一人で任務を達成することもできていた。
「ええそうよ、ここで保険医をしている八永遥耶よ]