「う……」
はじめに見たのは、ぼんやりとした光。
それがなんの光か理解する前に、ぱしゅっという空気が抜けるような音がして、一気に視界がひらけた。
まるで何年も眠っていたみたいに、光に目が痛む。思わず両手で目をかばって、指の間からおそるおそる自分の周りを確かめた。
ぼんやりとした光は、真っ白な天井にあるライトの光だった。視線を横にやると、右も左も白い壁。たぶん、床も真っ白だろう。
そしてわたしは……なんだろう、これは。
私は、筒のような、カプセルのような……何かよくわからない機械の中に体を横たえていた。何も着ていない裸の体。真っ白な自分の肌が、なんだか自分のものではないみたい。
体をなんとか起こそうとしたけれど、うまく力が入らない。
と、白い壁の一部に、音もなくすうっと縦に亀裂が入った。かと思うと、その亀裂が左右に開いて……白い壁と同じ、真っ白な服を着た女の人が入ってきた。
かつ、かつ、かつと規則的な足音を響かせながら、その女の人はわたしの目の前まで歩いてきた。
腰まである長い金髪。すらりとしたスタイル。そして、わたしをじっと覗き込む瞳は、不思議な虹色をしていた。
「遺伝子コードからの再生に成功。失見当、意識の混濁は認められず。海馬体への基礎知識の定着完了。自律呼吸確認」
わたしの目をじっと見つめたまま、女の人はよくわからないことを言った。なんだか平坦な、感情の感じられない、不思議な声だった。
あなた、だれ? と聞こうとして息を吸い込んだとたん、わたしは激しく咳き込んでしまった。