ドライブデート回か旅館回
 寝てていいぞと言ったところでどうせ寝ないだろうから、信号待ちの隙間で、助手席を向く。からだごと、こちらをぼんやり見てきていた、眠たげなまぶたにてのひらを当てた。まつげが当たって、少しくすぐったい。
「……なに? あったかい」
「そのまま目ー閉じてろ」
「えぇー……」
 もうちょっとおチビちゃん見てたいな。なんて、言ってくるからタチが悪い。信号はもうすぐ変わってしまう。
「あ」
 後部座席に置いてある、タオルケットの存在を思い出した。『車の中のものは好きに使って構わない』だとか言っていたけれど、このことを見越していたとしたら凄すぎる。まぶたに当ててた手を離して、チラッとだけ後ろを振り返り、目当てのものを引っ掴む。信号が変わってしまった。やさしくかけてやる余裕なんてものはなく、頭からばさりと被せる。
「っわ、なにこれ」
「使っていいらしーぞ」
「……別に眠くない」
「かぶってるだけでいいから」
 まぁ、すこし、だいぶ、ちょっと? フトンってやつとか、ロテンってやつとかの非日常に煽られた自覚はある。そりゃもちろん鍛えてるのは知っているとはいえ、疲れさせてしまったことには変わりない。まぁ眠そうだから寝させてやりたかっただけで、寝ないなら寝ないでもいい。「楽しかったな」と話しかけると「うん」なんて、素直なお返事。おまえやっぱ眠いだろ。みじろぎの音が聞こえる。
「……ブラッドの匂い」
 手繰り寄せるみたいな、幼げな手つきで口元にそれを寄せ、小さく呟いたフェイス。渡したのは自分だというのに若干複雑な気持ちになりつつも、勝てる気なんて最初からしてない。これでよく眠れることだろう。
 なにやらと騒がしかったカーラジオを止めて、CDのチャンネルに切り替えた。この車の持ち主……ブラッドのことだから、クラシックでも入れてんじゃねーか、なんて、なんとなくの選択。でも入ってない可能性もまぁまぁ高いし、そしたら無音でいいか。と、思っていたら、予想が的中。静かに、厳かに、弦楽器が響く。
「……アハ」
「ん?」
 フロントから目を逸らさず、声だけで聞く。街並みはまだ、知らない景色だ。
「これ、すきな曲だ」
「そっか」
「そう、あのね、作者は×××なんだけど、そんな感じしないでしょ」
「×××……って、あの協奏曲を作ったやつか?! ……えっ、全然ちげぇな」
「そうなの。あの一曲が有名すぎて、明るい曲調の印象が強いけど、本来はこういう、ゆったりめがルーツで……」
 のんびりとした調子ながらもしっかりと、この曲の説明をしてくれるフェイス。なんだかどこか、言い慣れてるように思えた。
「アハ。おチビちゃんだと話が通じて、なんか不思議。ブラッドに話した時は……」
「うん」
 あぁ、そういうことか。眠気のせいか匂いのせいか、若干口が緩くなってるなこいつ。気に留めてないというスタンスで、相槌を打つ。
「…………あは。あれ、いつだったのかなぁ。すっごくちいさい、とき。覚えたての知識を、偉そうに話す弟を見て、なんて思ってたんだろうね」
 少なくとも、楽しくは思ってただろ。っつーか嬉しかったんだろ。何年先でも覚えていられる、車の中でも繰り返し聞いてしまう音楽なんて、そういう、音を取り巻く全部が愛しいものだけだ。
「さーな。今度ブラッドに聞いてみろ」
「えー……」
「なんだよ、その不服そうな返事」
「だって、今更」
「今更ってこともなくねーか?」
「いいよ、恥ずかしいし。なんか、嫌なこと言われたらやだし」
 ……あぁでも、どんな音楽も、隣でずっとやさしく聞いてくれてたなぁ。なんて、穏やかに呟く声を、聞きながら車を走らせて、おれたちはおれたちの街に戻る。
「車貸してくれてありがとな。オコトバに甘えて、ブランケットとかも借りちまった。洗濯して返す」
「構わない。元々あれは、キースやアキラが強請って置いてあるだけだ。そもそも酔い潰れたキース用にディノが持ってきたものだしな」
「おお……おまえも割と、くろーしてるよな。でもなんか、フェイスも寝心地よさそうだったし、なんか効力でもあんのかな?」
「……旅行はどうだった?」
「あ。写真やるよ。これは行きの、運転中のとき。くやしーけどサマになってるよな。あと…これは、わかりにくいけど蟹に若干テンションがあがったらしくて、珍しくポーズ取ってるとき。かわいーよな」
「………………ほう」
「複雑そうな顔すんなよ。……今度のときは一緒に行くか?」
「フェイスが嫌がるだろう」
「そこはほら、キースとかディノとかとも一緒に。悪くねーだろ、多分」
「……悪くは、ないが」
「な! フェイスには話しとくから、予定空けとけよ。あ、あと」
「なんだ?」
「悪りィ、CDも勝手に聞いた。……喜んでたぞ」
「そうか」
「ブラッドも、あの曲すきなのか?」
「そうだな……ずっと、すきだ」
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オカぱう
たのし!
12:50
オカぱう
音楽に造詣が深くない〜!!!!!!ごめんー!、!ブラームスしか知らないー!!、
40:12
オカぱう
私は今〜〜なにを書いてるの〜〜〜ラララ〜〜
40:21
オカぱう
あるある ジュニフェイのつもりがビームス
65:49
オカぱう
終わった!ひとまず!
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