この暑い中ようやく散髪に行ってきました……徒歩だったので疲れた……そしてそのまま梅田に行って見てきました「X-エックス-」。
これもまたyoutubeの予告で知った作品。かの最高にイヤ~な気分になれるハッピーフェスティバル映画「ミッドサマー」のA24制作の作品ということで見てみることに。
どうでもいいけど「エックス」って聞いてCLAMPのあれが出てくるかゲームボーイのあれが出てくるかロックマンかスパルタンか遊星からの物体かでその人の人柄がわかると思います。
さておき感想をば。
予告の段階では景気よく人が死ぬタイプのスプラッター系ホラーだと思ってましたが……本作における「怪物」は、あの老夫婦ではなく「老い」そのものといった印象を受けました。
「史上最高齢の殺人鬼」と銘打たれたハワードとパールの老夫婦は、例えば「ドント・ブリーズ」のような超人的な戦闘能力を持っているわけではなく、フレディやジェイソンのような怪物でもない、なんの特殊能力も持たないどころか老いて体の衰えている本当にただの老人です。
だからこそ、彼ら、特にパールの自分がかつて持っていた若さ、美しさへの執着や嫉妬、そして羨望による連続殺人は、凄惨というよりもむしろ悲愴なものに思えました。
映画はもう冒頭から70年代80年代のエログロ全開、ロケーションも登場人物もこれでスプラッター展開にならなかったら詐欺ってくらいのスプラッター映画のテンプレなんですが、中盤から終盤にかけての展開はこの作品を凡百のスプラッターホラーとは一線を画すものにしています。
とくに、社会的タブーである「老人の性・セックス」を明白に描いているのに驚嘆しました。本作はR-15指定なのでのっけから遠慮なしのセックス描写が出てくるんですが、前半のそれがあくまでお遊び、自主制作映画のシーンであるのに対し、後半のハワードとパールの行為は、ハワードが言及しているように肉体的に大きな負担を強いるもの、文字通り命がけの行為なわけです。
あのシーンには、不気味さやおぞましさ、見てはいけないものを見てしまった感に加えて、たしかにある種の神聖さを感じました。
そして、スタッフロールを見て初めてメインヒロインであるマキシーンを演じているミア・ゴスが実はパールも演じているというので、パールは今は若さと美しさを保っているマキシーンの行く末でもあるのかな……と思いました。
そしてスタッフロール後には、本作の前日譚となる「パール」が公開予定との予告があって、これまたイヤ~な感じの予感がするのでぜひ見にいこうと思います。