供花を添えられて、箱詰めされて。ミスタ•リアスの短い生涯のはしっぱに添えられる花は大輪の百合であった。いつだって、守銭奴らしく新しいもののない生活のなかで、こうやって自分に新しいものが与えられていることが珍しく、そこまでするくらいには重大なことなのかな、なんて、ちいさな頭で考えていた。
せんせいに食べてもらえるように、丹精込めて育てられて、髪の先数ミリまで計算しつくされたミスタの身体はもうミスタ自身のものではなくなる。今まで何人か、同じように見送られていったが残念ながら戻ってきたひとをみたことはない。たぶん、ミスタも例に漏れず、そう。きれいにおしろいを塗られて、これはせんせいの御前に出るたびに塗られていたからそう珍しくもなかったが、このように花に囲まれて、上等な箱に詰められて、まるで黄泉の国にでも送られていくようなさま。もう行ってしまったあねさまたちもこんな気持ちだったのか、ふしぎで、現実感がなく、未だに思考は浮遊している。一度遊びでお酒を飲まされたときみたい。そうやってまとまらない考えが、きっと明日になればぱたりと止んでしまうことは何より恐ろしく、だけれども来ることはだいぶん前から知っていたのだから、今となっては恐ろしいことであるはずもなかった。その矛盾が現実感をよりいっそう無くしていて、ミスタを現実に縛り付けることはなかった。
けれども、残念ながら、そのようなちいさな希死念慮はあの大きな白い手でくしゃりとされたしまったし。
せんせい、もといアイクは、大きな棺に入ったミスタを見るなり、きちんと隙間なく敷き詰められていたそれからミスタを引き摺り出した。それも力任せに。ぎゅっと、骨が軋むくらいの抱擁。こんなに他人と距離が近いことがなかったから、ミスタのちいさな心臓は大きく跳ねた。彼がミスタの服をくしゃりとするたびに、はらはらとミスタの頭にのっていた花びらが膝に落ちる。
「やっと逢えたね」
ずっと御簾の奥から聞こえてきていた、声。甘ったるくて重さのある、鼓膜の揺動を誘う婀娜っぽい、だけれどもそよかぜみたいな声。合成音声なんじゃないかと思うくらい、初めて聞いた声なのに。
「ねえ、やっと逢えたんだよ。うふふ、これから楽しくなるね。お化粧似合ってるよ、でも早く落とさないと身体に障るから、落とそうか。おめかししてきてくれたんでしょう?ぼく、きれいにしてる君も好きだな」
いつも、御簾の奥からあねさま、お母様たちに御高説を垂れている時とまったく声音が違っていた。甘くて、たとえば、駆け落ちして消えていったあねさまが好きな殿方のことを語る時のそれだった。
「え、あの、せんせ」
「アイクでいいよ」
「...アイク。あの、おれ、アイクに食べられるんじゃないの」
「...あはは、馬鹿だな。そんなわけないでしょう。君は、ここで、僕のために生きて。ね、ステキでしょう」
「それでいいなら、いいけど。いつか殺す?」
「さて、それはどうだか。...殺す時は殺しますって言うから、大丈夫。たぶんね。当分はないって約束するさ。君が応じてくれればだけど」
にっこり微笑んで、有無を言わさぬ気配すら感じるそれを、首を縦に振って受け入れることにした。まずもってなくなるはずの命だったのだから、比較的やさしく受け入れてもらったのだから、拒む理由はない。ミスタ・リアス、9歳、魂のお葬式。誰もかれもがきっと、彼の人生の終わりを想って眠る箱に花を詰めてくれただろうに、残念ながら生き延びてしまえそうだ。彼らへの少しばかりの申し訳なさを無理矢理振り払うみたいに、アイクは額にキスをした。ミスタはそれを従順に受け入れた。たぶん、このまま死んでいくのであれば手にすることのなかったであろう愛が、この暴力的で支配的なてのひらなのかも、なんて、たぶん被害妄想だった!
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15:26
コウスイ
みんなでキリンジを聞こう おれはどでかごんを聞いているよ お気に入りはロマンティック街道
19:03
ななし@41ab16
愛しています
19:21
コウスイ
ウオー!!!ありがたいです💕💕🤝🤝🤝
30:23
コウスイ
一応切ります❗️❗️ありがとうございました💕💕
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向き
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30分くらい?
初公開日: 2022年05月11日
最終更新日: 2022年05月11日
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コメント
例の神様💙と供物🧡
🫣🫣🫣
💙のペド爆発 えっちじゃないからOK
コウスイ
かく❗️
α💙とΩ🧡 30分で一旦切る予定 妊娠について触れる!たぶん
コウスイ
202206082006
なんか書いてます。色々と大目に見てください。
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