▽②-後半
「何事かと思った」
「ごめんってば……」
中庭でのトンデモ発言後、自分の叫んだ言葉を冷静に見直して、ハッ! とした尾白は、困惑に眉を顰めた心操を引っ張って彫刻科のアトリエに戻った。
こんな強硬手段をとったのは初めてで、普段の走り込みと比べれば大した距離でもないと言うのに、心臓がバクバクとうるさい。およそ数百メートルの距離を拉致されている間、黙って着いてきてくれていた紫の溜息混じりはごもっともで。ドアを閉める尾白は、尻尾と眉と肩を下げ謝るしかなかった。
振り向けば土や石膏の香りが染み付いた空気に鼻を動かす心操が居て、見慣れぬ器具が散らばる部屋を見渡す姿は[[rb:一筆 > ひとふで]]分の絵の具が垂らされているように見える。がさがさと広げっぱなしだった道具に一旦端に寄せ、椅子を一個引き出した蒲公英に、菫はその髪を鈍く掻き。
「……つまり、ふんわりイメージしてた身体に俺の身体が近いから、触って凹凸を覚えたい、ってこと?」
とん、と自らの肩口を指先で叩いての問に、部屋に放り込んで直ぐに散らばる思考を掻き集め、轆轤を回しつつ何とか告げた尾白は頷く。
「うん。そう。布を纏わせるから、シャツの上からでいいんだけど……」
引っ張り出した椅子を、がたん、と広く開けたスペースへ置いた黄色が顔を上げれば、澄んだ色味だが思考の読めぬ瞳で溜息を吐かれ。やはり駄目だろうか、と尾が垂れる。
〝触れて凹凸を覚える〟イコール〝身体を撫で回す〟、だ。
幾ら服の上からで良いとはいえ、男に身体を好きにされるのは良い気分はしなかろう……と、変なことを言って申し訳ないと尾白が謝罪しようとした瞬間。短く三文字、「いいよ」と仄かな灯火が差し出され。
「……え?」
「いいよ、って言ってる。この椅子は俺が座るの? あんたが座るの?」
「っあ、えと、心操が」
全て伝えきる前に、かた、と小さく椅子の足を鳴らした紫が背もたれのないそこに収まる。突飛な行動を先にとったのは自分だというのに、なにやら置いていかれる心地で惚ければ、常は少し上で静かに瞬く瞳が、真っ直ぐ大きく尾白を見上げて。
「ポーズは?」
「こ、これ」
脇に避けていた机からクロッキー帳を手繰り、幾つも起こしたラフを飛ばして決定図案の四面図を示せば、暫しそれを眺めた心操は的確に形を汲み取って手足を動かし。瞬きの間にとても自然な出来で組み上がったので、自分が言い出したことだと言うのに、尾白はたじろいでしまった。
裾を緩くスラックスに突っ込んだ白シャツが、前に屈む腹元へ皺を描く。作り物ではないその線は柔く、布地のハリとなめらかさがよく分かる。本来纏わせたいのはカーテンドレスのようなものなので、シャツほどしっかりと型どる必要は無いのだが、そういった布の遊びは資料として貴重だった。
全身の輪郭を目でなぞり、嗚呼、と思う。
室内に入って静まったはずの日差しが、窓を背にしているので後ろにあるはずの光が、彼を中心に降り注いでいる気がする。ある程度の室温に設定してあるアトリエは、美術品に最適な環境に整えられている館に似て。空調の静かなノイズは無音で、とっぷりと重く美しい空気に沈む様は、美術館に展示されている像そのものだ。
「……触らないの?」
「っ、さわ、触ります! 触らせて下さい!」
棒立ちにのまま動かぬ尾白を不審に思った心操が、ちら、と視線を動かす。そこでやっと目の前の青年像が人間だったことを思い出した黄色は、わた、と時をとり戻し。
──いや、この問答、なんかちょっとおかしいな?
自身の発言を省みて、一秒。そう思えど、今更引き下がれるはずもなく。この指先に覚えるために強引に招いたのだから、線と影を作るためにも[[rb:識 > し]]らねば、とひとつ深く息を吸って「失礼します」と紫の背後に回ってしゃがみこんだ。
ひたり。利き手である右手を、指先から順に肩甲骨の少し下へ重ねる。
「ああ……うん」
背にある最も大きな三角──広背筋に触れ、しなやかさに感嘆が零れる。存外姿勢の良い彼らしく、細いが綺麗な筋肉をしていた。
少し強ばっているのは、彼も作業を続けているからだろうか。首や肩にコリが生じると、背筋は伸び縮みしなくなっていることも多い。しかしそれなりにストレッチはしているのか、ガチガチではなかったのがイメージとは違って新鮮で。触れてみないと分からないものだな……と尾白は小さく尾を揺らす。
そのまま腰の方まで手を滑らせ、手首を捻って腰骨に指を引っ掛ける。シャツに生まれた、肩甲骨の尖りから続く手の動きの軌跡を脳に焼き付けた。息を潜めて感覚を研ぎ澄ませ、全意識を手のひらに集約する。
触れる度に感じる心操の身体のしなやかさに、尾白は小さく息を逃がした。脇腹をなぞりあげるように、しかしシャツは連れ去らぬように繊細に手を動かせば、触れるか触れないか、といった力加減のそれが擽ったかったのか、紫から息を詰める音がして。
「……っ、ごめん」
「いや、平気。好きに触っていいよ」
は、と零された台詞に、耳の縁が焼ける。
完全に資料として[[rb:観 > み]]ている視界が、刹那、熱にブレた。アトリエに満ちる空気の重さが増した気がして、蒲公英は光と酸素を求めて極細く喘ぐ。ひとつ、ふたつ。尾を縮こまらせての深呼吸に肺を膨らませ、観察の視界を取り戻す。
それでもまだ耳の縁が熱く、肩まで上げた手で心操の肩甲骨の凹凸をおさえながら、じりじりと痒くなる頬を歯を食い縛って引き締めた。声を出すと上ずる気がしたので許しへの返答はせず、代わりに手のひらの動きを雄弁に。
さり、とそのまま肩先の尖りを凹ませた手のひらで覚えて、前に回している腕をなぞるように屈む。自然と抱きつくような形になったのへ頬の痒みがまして、眉間に皺が寄った。すると目頭へも力が入り、つい目を瞑ってしまいそうになるのを気力で堪える。
手が伸ばせる限界まで背後から撫でて覚え、ひと、と頬が背中にくっついた所で息をした。じわり、背中に汗が浮かんで、尾の付け根が震える。身体に入ってきた空気が冷たくて、体温の上昇を自ずと悟った。
シャツ越しに生きている温もりを感じて、脳内の像が着実に肉感を帯びていく。背中に押し当てた耳が脈打つ器官を捉え、無機質に反復運動を繰り返すメトロノームとは違うリズムに、自然と瞼が降りる。
ぷぁん、と。無音の[[rb:室内 > アトリエ]]に、芝上に広がっていた音楽学科の音合わせの[[rb:音 > ね]]が響いた気がした。金管楽器の晴れたそれに導かれ、曖昧だった線がハッキリしていく。とく、とく、とく、と僅かに駆ける心音に導かれるまま瞬いた尾白は、尻尾を一振して起き上がり、心操の前に立った。
随分と久しぶりに見たような顔を見下ろして、手を側頭部まで寄せ、問う。
「……髪、グシャッてしていい?」
「いいよ」
何でも、好きにすればいい──微塵も悩むことなく、全身を預けるように手渡された許しに首後ろまで痒くなった。ぺし、と自身の背を尾で叩いて気合いを入れ直した尾白は、許しは得たので……と手をフワフワしている紫に当て、指先をそっと根元に差し込んでいく。
襟足から這わせた指で、頭部の丸みを覚える。
顔が良い奴は頭の形もいいのか、などと、ゆっくりと頭頂まで登らせた尾白の指先が思った。心操の頭は細すぎず長すぎずで、本当に綺麗な形をしている。ワックスで形作られていてもフワフワと風に揺れる髪は想像よりも固く、下から逆撫でる尾白の指に時折絡まり、ぱさ、と解けていった。
そのままこめかみを母指球でおさえながら手を回し、撫で付けてある前髪を下ろす形で額を撫でる。普段は晒されている肌色が隠れ、紫の毛先が濃い睫毛に重なった。
邪魔だろうか、と頭の外でぼんやりと思う。
尾白手のひらは、頬骨をなぞりながら顎先へ向かって輪郭を撫でていき。薄い皮膚にそっと親指を引っ掛けたところで、カーテン越しに紫の閃光がこちらを射抜く。
壁に張り付けられるような緊張に心臓が跳ねれば、親指が引っかかったままのそこが「──あんたさ」と言葉を紡ぎ。
「他の奴にもすんの?」
「……え?」
「他の奴にも、〝こういうこと〟」
耳に入った言葉の意味を解体するのに五秒、意味を理解するのに三秒、衝撃が脳に達するのに二秒秒、と十秒ほど固まった尾白は、自身の手が心操をどのようになぞったかを思い出し、カッと熱が跳ね上がるのを感じた。
「す! っるわけないだろ! 心操だけだよ!」
語気を荒らげ叫べば、鼓膜を叩く勢いが過ぎたのか、心操は器用に片目だけ細めて「そう」と歯列を剥いて。その唇が微かに四文字ほど震わせた気がしたのだが、読むには足りない動きだったのでなんと言ったかは分からず。
「役に立ちそう?」
「う……お陰様で」
手を滑らせ、服の皺ごと指と目に刻み込んだ心操の身体は、しっかりと尾白の頭にある。若干育ちすぎ感は否めなかったが、理想の形にかなり近い分、その差は直ぐに埋められそうで。
「あと腹筋と腰周りだけ触っていい?」
「脚は?」
「脚は平気。俺、上体はごついけど、下肢は自前で応用利くから」
尻尾を支える筋肉がある辺りまで、少し落ち着いてきた熱に額を拭えば、どうぞ、の印か瞼が閉ざされて。しゃがみこみながら首筋を指でなぞり、喉仏の凹凸も覚え、鎖骨の窪み、厚すぎない胸元、と心操を覚えていく。
腹筋を手全体で撫でれば筋肉のブロックが微かに分かり、「意外」と呟いてしまった。
「……何が」
「いや、心操細く見えるけど、筋肉ちゃんとついてるんだな」
「ああ……俺の場合、気に入るまで何度もリテイク重ねて、気付いたら四徹とかあるから……合間に少しでも鍛えとかないと、描くのに身体が追いつかない」
「──そっか。なるほど」
全ては描くために、と聞けば、ストイックな心操らしいと思う。同時に、あの時、芸術祭で真っ先に目を奪われたあの青が、この身体を資本に作られているのだと今更実感し、指が震えた。
仄暗い、ともすれば仄明るい世界。全体に降りている青は少し紫がかっていて、えも言われぬ雰囲気をしていた。
唯一無二の色彩で描くのは、その目で見た風景のみ。
趣味のサイクリングで訪れた街の風景をスマホで切り取り、実像と虚像を重ねながら『この世界のどこかにある風景』として出力するのだと聞いた時には、趣味と努力と才能が掛け合わされ、美として見事に昇華されているのだな、と納得してしまった。
「──尾白?」
「……っなに?」
「いや、動きが止まったから。もう終わり?」
「えっ、ああ、うん……ありがとう」
さり、と触れたままだった指先が、心操の利き腕のシャツに皺を描く。吸い付いたように離れ難いそこに目を細めつつ礼を言えば、「うん」と半端な返事が返ってきて。
腰元を覚えていたはずなのに、いつの間にこちらへ来てしまったのだろうか……と意識せぬ己の手の動きに目を回しかけた尾白だったが、立ち上がる心操に、思考は一旦端へ置いた。礼を繰り返し、脳をイメージの形成へ切り替える。
「根詰めすぎるなよ」
「ありがとう。そっちもね」
「留意しとく」
労いを受止め同じ質量を返せば、躱す温度で苦笑が来た。これは尾白にも言えることだが、一度制作に潜るとなかなか浮上できない性質であるのを理解しているので、「食べるのだけは忘れないように」と、腹が減ったら準備室に来るようにだけ付け加える。
「またタコパ?」
「煮詰まると障子がやるから」
砂藤のパウンドケーキも美味いよ、と足せば、それは食ったことないな……と首に手のひらを当てた心操が瞼を伏せ。そうして顔をこちらに向けたかと思えば、濃紫の睫毛が震えて。
──ゆったりとした瞬きが、網膜に焼き付く。
「じゃあ」
「う……ん。じゃあ……ありがとう」
「ん」
今度こそ背を向け部屋をあとにした紫に、一人残った黄色は尾を揺らす。ふわり、最後に見た仕草が何だか引っかかって、数度反芻してはどこかで識ったような……と脳内資料を漁りそうになって。
「──と、違う。いまはそれじゃない」
手と目が覚えているうちに、可能な限り出力せねば、と振り返り、被せてあった白い布を取り払って、その下のビニールも剥がす。現れた荒削りな少年に跪き、輪郭をなぞって先程の美しい肉体との線のズレを描く。
足さねばならぬ部分と、大きく削らない部分を素早く判断し、「よし」と両頬を叩いた頭からは、自然と紫が瞬く映像は消えていった。
「お、わったぁー!」
「お疲れさん」
「今回もまた、素晴らしい出来だ」
最後の仕上げを終えた瞬間、ぱちぱちとあたたかな音がやってくる。掛けられた声よりも大勢居るように聞こえるのは、障子が複製腕でも拍手してくれているからで、汚れた手のまま額の汗を拭った尾白は二人に礼を述べた。
「今回のは時間がかかったな」
ほい、と砂とつが手渡してくれたタオルを有難く頂戴した尾白はそれで顔を拭き、白に移った土に苦笑する。尾を揺らしながら「うん」と同意しつつ更に拭えば、手のも相まってあっという間にベージュ色のタオルが出来上がる。
「難しかった。けど、楽しかった」
尾白が心操に『触らせてくれ』と声をかけたのは、心棒に付けた粘土を角材で叩いて定着させ、全体の形をざっくりと整え始めた頃だった。
──そこからおよそ三ヶ月。〝彫る〟というよりは〝削る〟というのが正しい繊細な作業を経た水瓶にもたれ掛かる少年は、艶やかな面持ちで静かに座っていた。
「布越しに見える筋肉の隆起が見事だ」
「ここら辺の布の皺、あれか。カーテン見に行ってたやつだろ?」
「ああ、うん。うちにある布じゃ再現できなくて……」
しゃがみこんで隅々まで見てくれる友に照れながら安堵に騒ぎ始めた腹の虫を服の上から撫でれば、立ち上がった砂藤が自身の顎を手で抑え。その仕草に頬が痒くなった尾白は尻尾を前に抱き寄せ、連日の泊まり込みでパサついている毛先を手櫛で雑に[[rb:梳 > す]]いた。黒いつぶらな瞳が、目の前の塑像と何を重ねているかは分かりきっているので、おず、と口を開き。
「…………やっぱり、〝分かる〟?」
「いや──〝言われなきゃ〟分かんねぇと思う」
な? と隣に立つ障子に問いが回され、ああ、と頷きが帰ってきて、今度こそ本当に全身の力が抜けた。その様子に苦笑した二人は、「尾白の視界では色があるからだろ」と、その目が見ている風景に心を添えて背を押してくれた。それを受け、二本の足でしっかり立って、少年に向き合う。
精悍な──それでいて、匂い立つ艶やかな陰の、[[rb: 佳> よ]]い輪郭をしていると我ながら思う。
額を覆う髪のひと房に至るまで、柔く受ける風を計算しながら整えていったその奥の眼差しは、中性的な雰囲気の中で唯一鋭さがあって。
「……やっぱり、心操に似すぎてる気がする」
「言われなきゃ分からんて」
そもそも頭の形が違うだろうよ、とフォローしてくれる友の目は確かだろうが、この手で全身を撫で回した己からすると、〝少年期の彼を作りました〟と言った方がいいのでは……といった出来で。んああ……と尾をうねうねと別の生き物のようにくねらせ頭を抱えれば、焼けた頬に一滴の水が垂らされる。
「──不満があるのか?」
「──ない」
あまりにも真っ直ぐだった[[rb:否定 > それ]]に、問いかけた障子は唯一マスクで覆っていない目元を大きく見開いていたが、尾白もまた、勝手に喉元を滑っていった答えに目を丸めていた。次いで、更なる熱が頬を焼く。
「……ならば問題ないだろう」
「…………うん」
水瓶座は、『どれほど美しい女性にも勝る容姿をもつといわれる少年』がモチーフとなった星座だからこそ、その身体も、身を包む装束も、己が知る美の限りを詰め込むと決めていた。そこに心操が入るのは、彼に触れたということを除いても、尾白の中ではとても自然なことで。
──心操は、綺麗だ。
姿形が、絵に対する姿勢が、その在り方が。
ひとたび筆を握れば、寝食も忘れ色との対話にのめり込むと知ってから、いっそう覚える眩しさは明度を増して。それが溢れた結果がこれだろう、と尾白は思う。
「モデルになってもらわなくても、多分結果は同じだったかな……」
独りごちる響きをあえて聴き逃してくれる二人に感謝しつつ、ぐぅ、と鳴った腹を抑えた黄色は「ダメだ、お腹がすいて力が出ない」と目を横棒にして。
「脳にエネルギー足りてないんだろ。糖分とれ」
「たこ焼き器でベビーカステラでも作るか」
「うわ、美味しそう……ホットケーキミックスあるっけ……」
「あるぜ。めぞちゃん、銅板の用意よろしく」
「任された」
牛乳は購買だなー、と箒とちりとりを持ってきてくれた砂藤に、折角ならタコ焼きとイカ焼きも用意するか? と雑巾を手にする障子に何度目かの礼を伝えつつ、「いっそ鍋もしたいね」とエネルギー不足でしょぼついてきた目を瞬かせるたんぽぽ。そこで不意に思い出した、ゆっくりと瞬きをする紫の姿に手を止めて──
「そこまで行くと酒飲みてぇなぁ」
「今飲んだら確実に寝るだろう、尾白が」
「んぇ? ……ああ、はは。寝るね、また怒られちゃうよ」
酒の味を覚え、早一年と少し。普段の行いが善良の塊なので各所から諸々お目こぼしを貰っている三銃士だが、さすがに『課題明けの鍋パからの雑魚寝はいただけない』と注意されたことがある。そこに酒も加わるとなると、いただく小言が少し増えてしまうだろう。
「酒は芸祭明けに誰かん家で飲もうよ」
「ならウチか?」
「砂藤の家なら、何を用意するにしても調理器具が揃っているから助かるな」
「俺も障子も、そこまで持ってないもんね」
「おう。じゃあそん時は、食いたいものの材料と酒持って集合な」
話しながらも手を動かし続け、調理が出来る程度に整った頃には、夜もいい感じに深けてており、結局その日はベビーカステラを山盛り腹に詰め込むだけに留め。『すぐそこに控える祭りのためにも、まずは身体を休めよう』と解散した三銃士だった。