はい、冬コミ戦利品レビューもようやく終りが見えてきました。
・暴れん坊ろくろ首(折葉坂三番地)
以前初版が発行されていたんですが、そのときは手に入れられなかった一冊。
今回の冬コミで加筆されたバージョンである「改」を手に入れることができました。
本作は、名前の通り赤蛮奇が主役。南蛮鉄の鎧に身を包み、首無し馬にまたがる姿を勇壮に描いた表紙が美しい。
今回収録されているのは、ひょんなことから摩多羅隠岐奈の名代となって、人里にはびこる悪をバッタバッタとなぎ倒す全3話。
赤蛮奇はもともと、ろくろ首に加えてデュラハンの要素も併せ持つキャラクターですが、それを「南蛮鉄の鎧に身を包み、首無し馬にまたがって悪を倒すヒーロー」という造形にしてみせたのがまずすごい。
もとのキャラ造形をそのまま持ってくるわけではなく、アレンジを加えつつももとの造形を活かすってなかなかできることではないと思います。
そしてストーリーも面白い。
昼は人里で人間に混じって暮らしつつ、夜には謎のヒーローとして悪を斬る、という二重生活ヒーローとして活躍する赤蛮奇の姿は魅力的ですし、ゲーム本編では描写されない赤蛮奇の人里での生活や人間との関わりの描写も単純に面白い。
本作を読んで思ったんですが、改めて考えると赤蛮奇って人間社会に紛れて暮らしているっていう時点でかなり特異なキャラクターなんですよね。
ほかに人間社会と深く関わっているキャラクターとしては慧音先生なんかがいますが、「招待を隠して人間の中で生活している」という時点で、潜在的ヒーロー指数(なんだそりゃ)は相当に高いのでは。
劇中でも、時代劇的お約束セリフ「この顔を見忘れたか!」「この首、見るたびにうなされろ!」が最高にキマッてます。
あと悪役の「あのお方がこのような場所にいるはずがない!」とか、時代劇のお約束がしっかり装備されておりさすが。
このサークルさんの本の感想を書くときには毎回言ってることですが、素材の調理のやり方が本当に上手い。
調理のやり方そのものもそうですが、素材ごとに最適な調理法を選択してるのがまたすごい。
そして各話におけるゲストキャラである小傘や雛といったキャラのチョイスも、本作の基本骨子である「赤蛮奇で時代劇」に適合したものとなっています。
これまた毎回言ってることですが、今回もまた非常に構造強度の高い、安定感の高い作品でした。
今日はここまで。