突撃レポートの前に
私(ろっひー)のおおまかな説明(設定とも言う)
・本当に気が向いた時にしか書かない気まぐれすぎる似非ライター
・詳細は伏せるがとある怪我で現在入院中(完全にプライベート)
・患者が4人入る大部屋に入っている
・怪我はほぼ完治しているが退院まで最低あと1ヶ月はかかる
勇者病棟のおおまかな説明(あくまで設定)
・文字通り病院のスタッフは皆擬人化された勇者(一部女体化あり)
・理事長は旋風寺舞人
・婦長はエクスさん
・私の担当医はガイン
・看護士は毎日ランダム
・病棟には創設時からある旧病棟と10年前に
新しく建てられた新病棟があり、現在運営は新病棟のみ
かなり長くはなりましたがそろそろ本題に入ります
自分で言うのもアレですが……私、他人より好奇心はある方だと思っています
だから入院しているうちに旧病棟の存在が気になったのも無理はありません
一緒に入っていた患者さんが話していたか、病棟のナース達が噂しているのを耳にしたのかーーおそらく何処かできっかけがあったと思いますが忘れました(笑)
とにかく窓から見える旧病棟が気になった訳です
そう、誰に頼まれた訳でもない、私が勝手に始める、誰のためでもない、私のためだけの突撃取材です
ガイン「そろそろ寝ろ。起きてるのは分かってるからな」
……相変わらずこの人は厳しいです
でも真面目で嘘は吐かない方なので信頼してます
とりあえずここは寝たふりを
よし、部屋から出たな
私はそっとベッドから抜け出しました。持ち物はスマホと愛用のWAL●MAN
ちなみにこの大部屋、今は私だけです。他の大部屋には勿論それなりに患者はいます
それとVIP専用の特別室(当然個室)がありますが確か1つ使われていたと思います
ドアを開けて廊下を出れば、あとはこっちのもの、宿直の先生や看護士達にバレないよう裏ルートを使って外へ出ます
そうだ、忘れていました
さっき、きっかけは忘れたと言いましたがしようと思った理由は分かります
それは「旧病棟には何かいて、それのために深夜看護士達が何かをしている」という、曖昧で誰も信じない噂
私は何故かそれを確かめずにはいられなかったのです
まぁ古い建物にいるものは大体想像つきます。何処の世界でもあそこにいるのは魑魅魍魎の類だと
ただ残念ながら私は生まれてこの方幽霊をまともに見たことのない霊感ゼロの人間です
もし何かいても何も見えないのでつまらない取材になるかもしれません
それでもこれを読んでくださる方がいるならば幸いです
そうこうしているうちに新病棟を出ました。旧病棟までは歩いても10分あれば着きます
暗いので足元をスマホのライトで照らしています
おっと、ここに来るまでにスタッフがひそひそ言っていたことを思い出しました
今現在、この病棟にいるのは
新病棟は
医者
ガイン、エースバロン、ドリルダイバー
看護士
レイカーブラザーズ、バロンチーム
旧病棟には
婦長を筆頭に
看護士
スカイマックス、ジェットセイバー、ブラックガイン、ドリルボーイ、ファイアーシルバー、風龍、雷龍
大体こんな感じだったと思います
着きました
ここが旧病棟です。使われてなくなったのは10年前ですが思ったより古びた印象はありません
確かトイレもウォッシュレット完備していましたし
入口付近にはブラックがいます。ブラックは真面目で私に対してもひどく丁寧に接してくれます。真面目すぎて不器用になるのが玉に瑕でしょうか
それはさておき、私はブラックに見つからずに入れそうな場所を探しました
ブラック「ーーそうか、まだ見つからないのか」
ジェット『ああ、こちらではまだ見つからない』
裏まで回って一つだけ開いてる窓がありました。あれくらいなら今の私でも入れそうな気がします
入りました。勿論無傷です
これから旧病棟を突撃取材します
ジェット「こちら、ジェットセイバー。3階は今のところ異常なしだ」
ファイア「こちら、ファイアーシルバー。5階も何もない」
風龍「屋上に奇妙な物体あり。直ちに排除した」
ドリル「こっちは1階でアレがいたけど解決したよ」
スカイ「スカイマックスだ。2階はいつも通りだ」
中は酷く寒く、薄着で来たことを少し後悔しました。けれど冬の寒さほどではないので我慢してこのまま行きたいと思います
10年前とはかくもここまで変わるものなのでしょうかーー
足音はたぶん先に入った彼らのものしか聞こえてきません。けれど明らかに足音ではない音も少し混じっている気もします。あくまでそんな気がするだけですが
建物は今使われている新病棟より少し狭いですが大差はありません
ここはどうやらかつてはナースステーションだったようです。何故か色々なものが散乱しています。足元に気をつけないと
ん? 隣から声が聞こえてきます。ここの壁は薄く感じませんがーー
私は壁に耳を当てます。ちょっと冷たいです
ドリル「もう何やってんだよ」
これは、ドリルボーイの声ですね。出勤している時は必ず廊下ですれ違うので間違いありません
私は石になったつもりで直立不動のまま耳をすましました
ドリル「だから、こんなところにいたって面白くないじゃないか」
確かに面白くーー誰と会話しているのでしょうか?
こういう場合、壁に穴とかありそうな気がしますが、生憎何処にもありません。指で強く擦ればぼろぼろと削り落ちるので頑張れば開けられるかもしれませんが、そんなことをしていたら朝になってしまうに違いありません
仕方なく私はナースステーションを後にしました。出ると微かに何処かで嗅いだことのあるような香りがしました
ドリ坊がいたのは待合スペースでした。彼は椅子の上に立ち何かに向かって声をかけているようでした
ドリル「よしよし、そっかぁ。……そうだよね」
…………やっぱり私には何も見えません
でも、きっとあそこには何かがいるのでしょう。彼がそれをどうしたいかは、何となく分かってきました
突然鼻がムズムズしてきたので思わず押さえました
ドリル「やっと分かってくれたようだね」
???「うん。ありがとう。お兄ちゃん」
ドリル「今度はもっとマシなところに生きなよ」
???「そうだね」
ドリル「ーー間違っても、こんなところに迷い込んでくるなよ」
ギリギリくしゃみはしなくて済みました
階段を上がると少し暖かく感じられました
ここ2階は一般ーーつまり私達の言うところの大部屋が並んでいます
心なしか床が柔らかく感じました。確かコンクリートだったと思いますが
御手洗を過ぎると何かが落ちた音がしました
聞こえてきたのは男子トイレの方でした。私は何の躊躇いもなく突入しました(だって今はもう誰も使っていませんから)
当然ですが、トイレのドアは全て空いておりました
確か少し前に聞いた話によれば、ここ旧病棟は建設当時から珍しく男子トイレも全てドアのある個室を採用したそうです。何でも前理事長の強い希望とか
私は一つ一つ中を確認しました
たまに使いかけのまま放置されたものがありましたが不思議と嫌な臭いはしません
黒光りしているアイツは完全無視します
最後の部屋のドアを開けました
ーートイレの中に壊れた人形が浮いていました
私は、果たしてここで何をすべきでしょうか……?
人形を助けるべきか、それともこのままにしておくべきか……?
ーー悩んでいても仕方ないので私はその人形を拾い上げ、便座の蓋を閉め、その上に人形を置きました
本来ならばあるべき場所に戻すべきなんでしょうが私は生憎ただの専門知識のない一般人です。これが何で何処にあったものか全く分かりません。けれど悪いものではない気がします
なので私はここまでやることにしました。幸い蛇口から水は出ましたし石鹸水も残っていたので手を洗うことが出来ました
ーー誰かがこちらに迫ってくるようです
私は慌てて音を立てずゆっくりとすぐさま空の用具入れの中に隠れました
スカイ「……おかしい? 誰もいない」
これは、スカイマックスの声ですね
スカイさんは救命士のため滅多に見かけることはありませんが間違いなくこの声は彼の声です
スカイ「まぁ、アレでなければいいか」
ジェット『どうしたんですか、スカイマックス』
スカイ「ここに誰か、それも人間がいたような気がしたのだが、見つからない」
ジェット『人間だと?!』
スカイ「おそらく無害だと思うがーー放置は出来ん」
トイレから出た私は階段で3階に向かいました
今のところ何者にも遭遇していません、当たり前ですが
3階は特別室とまでは行きませんが個室が多いようです。奥に見えるのは手術室でしょうか……?
ここは寒くもなく暑くもありません。ただ何故そう思ったか分かりませんがまるで水の上を歩いているような心地です
……おかしいですよね。水の上は歩ける訳ではないのに
どの部屋も中は酷くさっぱりしていましたが何処かまだ人がいるような感じがします。生活感というか何と言いますか、
そして、ここが手術室です。すぐ横には大きなエレベーターがありますが流石にもう使えないようです
入った瞬間、薬品独特の何とも言えないような臭いが鼻を刺激しました
私には見えませんがきっとあちらこちらに痕跡が残っているのでしょう
ん?
今何か柔らかいものを踏んだようなーー?
私は足を上げ、スマホのライトを床に当てました。しかしそこには床のシミ以外何もありません
一体何が……?
ジェット「おい、大丈夫か? 返事しろ。ふちょ」
外から微かにジェットセイバーの声がしました。私は急いで手術室を後にしました
階段を登るとそこは異様な光景が広がっていました
今まで白一色だったのにここだけは赤紫に染まっていました。それ以外は今までと同じですが
旧病棟に来て初めて身体が震えました。
それでも私は前へ進みました。最後までやり遂げなくては意味がありません
ここはVIP専用の特別室です。今のと比べると随分質素に見えますが広さは大差ありません
特別室は少し寒いというか、涼しいと言った感じです
ベッドの上には置き去りにされたテディベアが鎮座しています。よく見るとおなかが裂けていて綿が見えています
私はそれに気を取られていたせいか、しばらく気付きませんでした
自分の背後にいたアレをーーーー
 私「……? ……?! ……?!」
何と喩えたらいいでしょうか
赤いブラックホールと言いますか、赤黒い生き物の目玉と言いますか、もしくは赤紫のキングスライム、いや、粘ついた黒光りの魔王と言いますか
一体アレは何でしょうか…………?
私「……んっ」
婦「ようやく気がついたかい?」
私「あれ、私は……」
婦「君は気を失っていただけだ。何もなくてよかった」
目が覚めると私は自分のベッドにいました。枕元にはスマホもW●LKMANもありました。ただ、スマホの充電は切れているようです
そこに婦長が女神のような笑みを浮かべて立っていたものですから一瞬夢を見ていたのかと思いました
婦「さっきまで見たことだけど」
私「?」
婦「誰にも言ってはいけないよ。さもなければ」
私「さもなければ?」
婦「ーー今度こそ君が死ぬ」
婦長の服の袖が濡れていたのは気のせいだったのでしょうか?
残念ながら突撃取材は以上を以て終了致します
朝になったらガイン先生の説教が待っているでしょうから
私「すみません」
婦「どうした? まだ眠れないのかい?」
私「一つだけ教えて下さい。……私が見たアレは何だったんですか?」
婦「それは、言えない。君を巻き込む訳にはいかないからね」
私「他は分かりませんが、それだけは絶対に誰にも言わないのでーーお願いします」
婦「仕方ない、耳を貸してくれ」
婦「ーーーーあれは                         というものだ」
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深夜の勇者病棟突撃レポート(仮)
初公開日: 2021年09月19日
最終更新日: 2021年09月21日
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コメント
私、ろっひーはこれから突撃取材してきます
嘘です(笑)
初投稿なので生暖かい目で見守って頂ければ幸いです