その日、ぼくはいつものようにスカベンジャーズのみんながいるお寺で遊んでいた。
いつからスカベンジャーズの皆がそのお寺に住みついているのかは知らない。
ミスファイヤーは「誰もいねえんだからもらってもいいだろ」と言ってたけど、どうなんだろう。
たまにコンボイおじさんが電話とかで土地の権利がとか色々話してたり、田んぼにもあそこは誰の田んぼで…みたいな話をホイジャおじさんがしてくれたりもするけれど、誰もいなくなった建物はそんなに気軽に貰ってもいいんだろうか。
そう思ってクランクケースに聞いてみたけど、「バレなきゃ大丈夫だ」しか言われなかった。大丈夫なのかな、それで。
それにしてもスカベンジャーズの住んでるお寺は古い……というか、ボロっちいと思う。
床板なんてぼくが乗っただけでぎいぎい言うし、隙間からアリやゴキブリが入ってくるし、天井にはクモの巣が張ってる。
襖は結構綺麗だけどよく見ると紙は黄色くなってるし、障子は結構破れてる。クロックが話してくれたことによると、障子自体は元々あんなに酷くなかったみたいだけど、来たばかりの時にミスファイヤーが全部破っちゃったらしい。
でもそんなお寺でもスカベンジャーズのみんなはあんまり気にしてなさそう…というか、これが普通みたいな顔で住んでる。
フルクラムは「前はもっと酷いところに住んでたからここでもだいぶマシだ」みたいなことを言っていたし、元々は洞窟とかに住んでたのかなとぼくは想像している。
そしてスカベンジャーズのみんなは住んでる所も結構変わっているけど、みんな自身も変わってる…というか、ちょっと不思議な人達だ。
今隣でヤモリを追いかけてるミスファイヤーはニコニコしてるけどいつもお腹を空かせていて、セミとかコオロギをよく捕まえては食べようとしてる。
フルクラムは顎の辺りに大きいパーツがついてて、ヘルメットみたいなのを被っている結構いいお兄ちゃんだ。でも何故かよくミスファイヤーに齧られてる。
クランクケースは頭の片方が凹んでる…取れてる?みたいな不思議な頭をしていて、まるでアンパンマンみたいだなーと思う時がある。アンパンマンはあんなに眉間にシワよってないけど。
スピニスターはちょっと怖い。身体も大きいし、いつもどこかを睨んでる。ミスファイヤーは「アイツは世界中が敵に見えるからしょうがない」と言ってたけど、その通りかもしれない。今も「切り株が俺をバカにした」とか言いながら手に持っている棒で庭の切り株をバシバシ叩いている。
そして、スカベンジャーズで一番偉い人だと言われてるクロックは…あんまりよく分からない。凄く落ち着いてる人だというのは分かるけど、マスクで顔が隠れてて何考えてるか分からないし、何か考え事をしたりする時は手の中に持ってる何かをカチカチ鳴らしている。友達に連絡できる機械だそうだけど、ぼくはそれが何なのか見せてもらったことがない。
ぼくがこのちょっと不思議な人たちと出会ったのはほんの数日前で、それからぼくは何回かこのボロボロなお寺に遊びに来ている。
特にミスファイヤーはぼくが来ると凄く喜んでくれて、セミとかカブトムシを取りに行こうって誘ってくれるし、ミスファイヤーと歩き回っていると結構いいポイントを見つけたりして楽しい。
───────という事をぼくはつい昨日、シャッターお姉ちゃんに話した。
シャッターお姉ちゃんはぼくの新しい友達の話を頷きながら聞いてくれて、新しい友達が出来て良かったなと言ってくれた。
そして、「その友達と遊ぶのは楽しいか?」と聞いて来たので、ぼくはこう答えた。
「楽しいよ!ミスファイヤーはたまにぼくのこと食べたいって言うけど」
そう言った途端、お姉ちゃんの顔が少し曇ったのが見えた。
おかしいな、ぼく何か変なこと言ったのかな。
少し静かになったあと、お姉ちゃんがまた聞いてくる。
「…食べたい、とはどういう事だ?」
「そのまんまだよ。ぼく、おいしそうなんだって。でも食べたいって言うけど齧られたりしてないよ。食べたいって言われるだけ」
お姉ちゃんはますます不安そうな顔になった。
「…本当に大丈夫なのか?塩を身体に塗れとか酢を塗れとか言われてないか?」
「?言われてないよ?」
何を言ってるんだろう、お姉ちゃん。
塩なんて塗ったら日焼けした肌はすごく痛いし、酢なんてあの変な匂いはぼく嫌いなのに。
「…そうか、それならいいんだ。……いいのか?」
お姉ちゃんはそう言いながら一人で何回か首を傾げていた。
しばらくそうした後、お姉ちゃんは静かにぼくの肩に手を置いた。
さっきから変なことばかりしてるけど、どうしたのかな、シャッターお姉ちゃん。
「なあ、坊。私も、その坊の友達に会いに行っていいか?」
「え?いいけど…お姉ちゃん、日差しを浴びても大丈夫なの?」
お姉ちゃんが一緒に遊びに来てくれるのは嬉しいけど、シャッターお姉ちゃんは太陽の光が凄く苦手なはずだった。
スカベンジャーズのいるお寺の周りはたくさん木があるせいで日陰だけど、ぼくがお寺に行く時通る階段の道は結構日が当たる。
お姉ちゃんが歩くと具合を悪くするかもしれない。
そう言うと、お姉ちゃんは小さく笑った。
「大丈夫だ、『そういうもの』の所に行くには専用の道があるんだ」
専用の道って?と聞いてもお姉ちゃんは笑って答えなかった。
とにかく、その日はスカベンジャーズ達の所には来てくれるけど、ぼくとは一緒に行けないみたいだった。
でもスカベンジャーズ達の所に行けばぼくは一緒に遊べるし、きっとスカベンジャーズのみんなもシャッターお姉ちゃんと仲良くなれるはずだ。
そう思ってぼくは次の日…つまり今日、いつものように階段の道を登ってお寺に来たのだった。
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怪異シャネキ+怪異べンジャーズvs怪異DJD テスト配信
初公開日: 2021年08月23日
最終更新日: 2021年08月23日
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テキストライブテスト配信です。
コン夏ユニバースの怪異シャネキさんと怪異べンジャーズと怪異DJDとぼく君の文を打っていきます。