ジャンル:ポケットモンスター お題:傷だらけの列車
お題は口外しない方がいいらしいので一応モザイクを使ってみる
⇒完成したのでモザイクはずし。
なんだかおかしいな、と思い始めたのはもうずっと前だった。
先生の言うことは「理解は出来るが同意はしかねる」という内容が増えていって、始めはそれを馬鹿正直に伝えたりもしていたけれど、段々とそれもしなくなっていった。ただ曖昧にうなずいたり、特別返事をせずに別の話題に移るのを待ったり、聞こえていなかったフリをすることが増えた。
それでも、同じ先を見ているなら、目指すものが同じであればそれで良いと思っていた。至る道筋を異にしても、通り過ぎる場所が、行きつく先が同じであれば良いと。
ただ、早い段階でそれすら叶わなくなっていたのだと気付いたのは随分経ってからだった。いくら短絡的なきらいがあるとはいえ、あの人がその場の勢いで衝動的にデータを消去等するはずはなく、つまりもっと前からデータを消してしまおうと、計画を取りやめてしまおうと考えていたはずなのだ。ひとりで。
そう、私に何の相談もなく、気取られるような素振りさえも見せずに、ひとりで考えて、悩んで、そして勝手に決めてしまったのだ。私達二人のものだったのに。二人で見ていた未来だったのに。
もしかしたら、なんだかおかしいな、と思い始めた頃からひとりで考え始めていたのかもしれない。そう考えると違和感の始まりにも少し納得がいった。
なんにせよ、私達の関係はずっと「上手くいっている」と思っていたのにそんなものは虚構でしかなく、先生と私の間には大きな隔たりが出来ていたのだった。間抜けなことに恐らく知らぬは私のみ、先生はそれを解っていたから、私の受け答えが曖昧でぼやけたものになっていくことにも何も言わなかったのだろう。
ただ先生は、どうにかしてはっきり伝えることなく計画の方向性を変え、二人で目指す先そのものを変えようとしていたのだと思う。しかし私は元より同じ方向しか見えておらず、先生の誘導虚しく私達は違う目的地を目指し始めていた。
先生がデータを抹消した日、私達が道を違えて決別したあの日、多分あの状態では遅かれ早かれ破綻するであろう計画を抱えた私達は、いつか辿り着く結末にそうなるべくして辿り着いただけであった。お互い違う方を目指して手を加えていったプロジェクトが上手く進んでいるはずはなく、無理な方針転換を繰り返しボロボロになったかつての夢は、二人で見ていたいつかの未来は、何にもなれないただの幻想と成り果てていた。
確かに見えていた未来が露と消えるなぞ私には受け入れがたく、こうして成れの果てを集めてひとりでつなぎ合わせている。私は先生と同じものが見たくて、それは何でも良いわけではなく確かにあの頃見えていた景色でなければいけなかった。現実になれば否応なしに同じものを見ることになるはずだ、きっとまた先生も同じものを見てくれる、そう信じて、今日も私はひとりで夢を現実にするべく計画を進めていく。たとえ地獄だとしても、もっとひどいものだとしても、私の目指す場所はもうそこしかないのだ。
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yurasakanagi
完成したのでしゅーりょー
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初めて即興二次創作つかってみる
初公開日: 2021年08月21日
最終更新日: 2021年08月21日
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