「兄上!今日はキスの日だ!」
「キスの日?」
穏やかな休日の朝、ロキが突然言い出した。お互い部屋着で、淹れたてコーヒーと目玉焼きが乗ったトーストを前に、キスの日だなんだという話をしている。
「どこかの国では今日をキスの日だと決めているみたいで」
「ふぅん、なんで今日なんだ?」
「それは知らん」
「そうか」
さっくりと目玉焼き乗せトーストを食べながら、ソーはロキの話を聞き流す。そんなソーをお構いなしに、ロキはキスの日だからいつもとは違うことがしたいとかなんとか言っている。
「トースト冷めるぞ」
「だから今日はいつもとは違ってちょっとしたゲームみたいなことを……兄上?」
「キスの日だからキスがしたいんだろ?」
「わ、何を、んっ……」
ダイニングテーブルから身を乗り出して、ロキの顎を取り、やかましい口にキスを落とす。朝のキスはコーヒー風味だ。
そのまま深く深くキスをして、今日は休みの日だし、このまま朝から愛を確かめてもいいかな、なんてソーが考えていると、むーむーと不満そうな唸り声を上げながら、ロキがソーの腕を叩いてくる。
「ぷはっ!ちょっと!私の話を聞いてなかったろ!」
「聞いてたぞ?今日がキスの日だってことだろ?」
「最初のところだけしか聞いてない!」
むくれたロキが上目遣いで睨みつけてくるものだから、ソーもそのまま大人しく椅子に座り、残りのトーストを口に放り込んだ。
「今日はキスの日だから、ちょっとしたゲームをしてみたいんだ」
「ゲーム?」
「そう、道具も使わないし、知識も要らない簡単なゲーム」
「簡単なゲーム、なぁ……」
ロキがわざわざ簡単だと言うのだから、実際はそうではないのだろう。ソーが呆れたような顔をしていてもお構いなしに、ロキは話し続ける。
「普段の私たちは、気軽にキスしてるだろ?朝起きても、出かける時も、帰ってきた時も、夜寝る時も」
「ベッドの中で愛し合う時もな」
「ベッドの中だけで済むのか?」
「うーん、そこのソファーだったり、バスタブの時もあるな」
ソーの言葉にくつくつと笑いながら、ロキは話し続ける。
「ふふ、毎日毎日、朝から晩まで好きなだけキスしてるから」
「キスするのが好きだから、好きなだけキスするんだろ?」
「もう、黙ってて!こほん、いつも好きな時に好きなだけキスしてるから、キスの日の今日は、キスしない!」
「ええっ!?」
ロキの言葉に、ソーは驚きの声を上げてしまう。そんなソーに、ロキはにやりと笑う。
「今日は、キスした方が負け、っていうゲームをする」
「キスした方が負けって」
「ふふ、先にキスしたくなった方が負けなんだ」
くつくつと笑うロキに、ソーは片眉を上げながら聞く。
「負けたらどうなるんだ?」
「んー?そうだな、相手のお願いを、何でもひとつ聞くとか?」
「何でも?」
「何でも」
その言葉にソーもニヤリと笑った。
「キスしたくなった方が負け、なんだな?」
「そうだ」
「なるほどな、つまり、お前にキスをさせたくなるように、誘惑すればいいってことか?」
「それは、まあ、ご自由に?」
そう言い冷めたトーストを齧るロキを、ソーはにまにまと笑いながら眺める。
「キスってのは、どこにするのもダメなのか?ほっぺたとか、おでことか」
「んー、それくらいはいいよ、口にするのはダメ」
「なるほどな」
ロキが朝食を食べ終わり、食器も片付けた後。ソーとロキは何も言わずにリビングのソファーで並んで座り。
「あにうえ♡」
「んー?」
誘惑合戦が始まった。
まずはロキ、ソーの膝の上に座ったと思えば、ソーの肩に頬を寄せて、まるで気まぐれな猫のように擦り寄って甘えている。
「あにうえ、ちゅー、しないの……?」
とどめに甘えた声でおねだりだ。
対するソーも負けてはいない、そんなロキの顎を取れば。
「どこにちゅーして欲しいんだ?」
「兄上がしたいところ♡」
「んー……」
まずはおでこに軽くキスを落とし、次に両頬にちゅっちゅっと軽快な音を立ててキスをし、鼻をすり合わせてから、口にキスを落とすかと思わせて。
「ひゃっ!」
「はは、驚いたか?」
「や、耳元で喋るな!」
耳にキスをした。
ちゅっ、ちゅっと音を立てて、ロキの耳や首筋にキスを落とすソー、おまけに低い声でロキの名前を囁き続けるものだから、ソーの膝の上の、腰やらおしりやらを、もじもじとくすぐったそうにくねらせる。
「ん、ふ、やだ、くすぐったい……」
「ロキ……くすぐったいだけか?」
「やんっ!」
ソーはロキの耳元で囁きながら、その手をロキのダボダボな部屋着に忍び込ませて、最近肉付きの良くなった背中や、ちょっぴりふにふにのお腹を優しく撫でさする。
ロキもやられっぱなしでは居られない、ソーのダボダボなハーフパンツの裾から手を入れ、その逞しい太ももを撫でたり抓ったり、そしてそのまま手を進ませて、鼠径部まで辿り、指で優しく何度も撫でれば、ソーの腰もぶるりと震える。
「ん、ふふ、兄上、くすぐったい?」
「は、まあな」
お互いの身体をまさぐりながら、ソーとロキは見つめ合い、鼻と鼻を擦り合う。そうしているうちに、ロキの瞳はじわりじわりとうるみ始め、声にならない声で兄の名を呼べば。
「んっ……ふ……」
「ん……」
どちらともなく顔を引き寄せ、その口に噛み付くような口付けを交わし合う。ぎゅうとお互いを抱きしめながら、口付けを味わい続けるふたり。
しばらくして、そっと顔を話せば、ロキの顔には得意げな表情が浮かんでおり、ソーの顔には苦笑いが浮かんでいる。
「ふ、私の勝ちだな?」
「お前もしたがってたろ」
「でも引き寄せたのはソーだろ?」
「まあ、そうだけどな」
先程まで熱烈なキスをしていたふたりは、ケラケラと楽しそうに笑いあっている。特に、ゲームに勝って嬉しいのか、ロキはソーの首筋に擦り寄りながらも、くすくすケラケラ、笑いが止まらない。
そんなロキに、ソーも呆れながら言う。
「それで」
「くふふ、なあに?」
「お願いはなんだ?」
「ああ、そうだったね」
何にしようか、そう声に出して悩むふりをするロキだが、ゲームを始める前から、お願いは決まっていたのだ。ロキは楽しそうに、ソーの耳元に近づいて、小さな声で囁いた。
「このままベッドまで運んで」
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ラブラブちゅっちゅ
初公開日: 2021年05月24日
最終更新日: 2021年05月24日
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ラブラブちゅっちゅするご兄弟のお話
事後のお話
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ソーロキ
NIKI
ご無沙汰ぶり
ご無沙汰してましたなご兄弟
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ソーロキ
NIKI
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プチプチする左京さんに寄り添う各組+α 春:こっそり近付く千景 夏:△プチプチあげる三角 秋:106…
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