『ケルビン・シエラ・セヴン-ツー-X-レイ、スカイフック・メンテナンスサイクル201610回-完了。状況; 冷却システムは正常に作動中』
「なになに……高高度航行星間通信施設搭載型第三種完全環境移動都市? 長ったらしい名前だなぁ」
『どこの移動都市も大体そんな感じだ。制圧を完了したようだな』
「周囲に敵影無し、レーダーにも反応はないね。大丈夫」
 空を飛ぶ怪物がいた。研ぎ澄まされ、陽の光を反射して橙色に輝く機体が滑走路を離れ、無茶苦茶な加速を始める。瞬く間に空に瞬く星の一つとなったそれは、やがてテラの大気圏を脱し低軌道上へと遷移していく。
 それを見上げていたレイズは、ぼーっとしている所をエリジウムに頬をつつかれて我に返った。
 
「なっ、何を!」
「気になるかい?」
「……まぁ、それは。圧倒的な速さです」
 彼女達は基地内を占有していた敵対勢力を排除し、引き渡しの為にロドス本艦へ連絡を行っていた。接舷した分艦から降りてきた作業チームが物資を空港の司令部裏にある中庭に運び、テントを設営している。司令部エリアのモニター付近にある窓から滑走路を見ていた二人の後ろをオペレータ達が通過していく。
「空港だよね?」
『我々の方でも同じ意見が出ている。ただ、データによるとこの移動都市は高高度を航行していたようだ。その理由がまだ分からない』
「了解。確かに、人々が暮らすには不向きだ」
「さっきの、あなたが読んだひどく長い名前をもう一度読んでくれますか?」
「良いけど」
 とエリジウムはモニターを操作して文字列を引っ張り出す。それと暫くにらめっこをしていた彼女は、やがてぽつりと呟いた。
「完全環境移動都市? つまり、自己完結している無人運用が可能な移動都市ということではないのですか」
「まぁ、確かにあの敵以外には人がいなかったね。でもそんなことが出来るの?」
『待て。もう一度型式名称をしっかり読め』
「もう一度って……、長すぎて読むのが面倒だなぁ。単語が古臭いし、正規の意味で使われてないよ」
『それだ』
 通信機越しのケルシーが何か確信を得たような声色に変わる。
『ここにあったとはな。久しぶりに驚いたかもしれない。――これはバベルの塔、いや、ヤコブの梯子だ』
「何て?」
『正確には極超音速スカイフックに属する。宇宙に物資を輸送するコストを低く抑えるために開発されたシステムの一部で、昔はこれを用いて探査を行っていたのだろう』
「宇宙……?」
 エリジウムは首を傾げる。彼は飛行場に見える航空機程度では脱出速度を出すことなど不可能に近いということを知っていた。せいぜい上がれても50km~100kmが関の山だろうと。
『いや、それで宇宙には行かない。静止軌道上から垂らされるフックに乗り、回転によって宇宙空間から一切の抵抗を受けずに射出される。まだ動いているとはな』
「訳が分からないのですが」
「僕が解説しよう」
 どこからかボードを引っ張り出してきたエリジウムがペンのキャップを外す。大きな円とそれより一回り大きな細いラインを引いた彼は、次々と書き込みを増やしながら説明を始めた。
「静止軌道っていう特別な高度があるんだ。」
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エリジウムはレイズのことを何て呼ぶんだろうか?
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さいなら~
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話を大きく変更する。流石にゲートはタイタンフォール世界でもないと実現不可能なので軌道エレベータを採用しよう
237:53
Iky
スカイフックかORSのどちらにするべきか
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向き
「信号灯」執筆配信
初公開日: 2021年03月24日
最終更新日: 2021年03月29日
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