「やっぱり、本場のジャズをやりたい」
君が、憧れをこじらせたような野望に満ちた瞳で言った。
テナーサックスを抱えて、ピアノの前にぼくを座らせて。
『僕はまだ君とやっていたいのに』と苦笑いしても、お構いなしだ。
親に反対されて家出をして、首根っこ掴まれて戻されて。吹奏楽に明け暮れていた音は、泥臭く進む今の音へと変わって。
そういう僕も、いつの間にかスウィング以外を忘れて。あとはもう、即興の世界に。
サックスソロ前の2小節は、伴奏無し。「何をしたいか」をサックスのアドリブの、その出だしから汲み取る。リズムを味方に付けたソリストが言外に語るのは、やはりプロへの野心。
誰の真似にもならなくなった時、君は一度音楽を辞めたがった。あまりにも見ていられなくなって、付き合わされていた僕が、君を逆に誘ったんだ。
ゆっくりお茶をするつもりで、バラードを選んだ。自由なテンポで、僕自身も少し迷いながらイントロを弾いた。いつでも座れるように、椅子の右側を空けて。
しばらくして目配せをすると、ソロの少し前で戸惑いながら君は座って連弾を始めた。
ソロの間、少しずつテンポを上げて伴走をする。少しでも視界が開けるように、合いの手のリズムをを増やして。
4小節を交互に弾くパートで、『君はこうしたかったんだよね?』と投げかける。首を振って、君はまだ手探りをする。そこから少しずつ汲み取って、今まで教わったことを弾いてみる。
途中から、白鍵に涙が落ちた。弱いけれど、確かに頷いていた。君の手が止まったところで、おさらいのメロディ、そしてエンディング。泣く君の背中をぽんぽんと叩きながら、しばらくピアノの前で座ったっけ。
そんなことを思い返していたら、今度は僕の涙がこぼれていて、左手の伴奏がようやく動いているくらいで。
「……ねえ、一緒に来てくれるなら、メロディを弾いて」
最初で最後の機会だから、と選んだその曲。イントロが終わる頃には、再び連弾がはじまった。
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うらひと
(疲れたのでエアロバイクお休み中)
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うらひと
~完~
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エアロバイクこぎながらAMGコン掌編
初公開日: 2020年08月31日
最終更新日: 2020年08月31日
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楽器ネタでやりたい
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うらひと
何か書く
動画に気を取られて手が止まる可能性あり今回は陽介と継で。
うらひと
【二次】SS書いてく【初めてのテキストライブ】
桃鬼のむきょまゆめSSを書いて行こうと思います。書きあがったものはXにて投稿予定。
渚紗