明け方。訳もなくざわつく時間帯。それは、私が家族をこの時間に亡くしたからだろう。私の家族は夜明けの直前鬼に襲われ、両親は私を守ろうとして死んだ。首筋を裂かれたふたりからは血が噴き出し、生ぬるいそれが私の顔に勢いよく降りかかる。私は生まれて初めての体験にどうすればいいのか分からず、ただ逃げようと足を動かした。両親を殺した異形のものは足が速く、すぐに追いつかれてしまう。肩を掴まれ、鋭い爪が肉に食い込んで痛みに顔が歪む。もうだめだ、と思ったその時、ふと肩を掴んでいた力が弱まった。驚いて振り返れば、異形のものの首はぽろりと取れてしまっている。私がぽかんとしている間に、異形のものは灰になって消えてしまった。鬼より後方にいた、刀を携えた何者かが一度それを振るい、刃についた血を払い、鞘にしまう。
カット
Latest / 06:56
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
れんしゅう
初公開日: 2020年05月17日
最終更新日: 2020年05月17日
ブックマーク
スキ!
コメント