現パロ沖神
大学三年生(20)×高校二年生(16)
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晴れていた今朝の気温が嘘のように下がる。空が灰色に変わったのに気づいたのは午後の授業中のことだった。
神楽はふと窓に目をやる。すると丁度、銀色の雫がしんしんと降り始めていた。グラウンドにいた生徒達は気にも留めず体操着を濡らしながら楽しそうにサッカーボールを蹴り飛ばす。
憂鬱にもなる雨の天気に溜息をついてハッと黒板に視線を戻した。登校前に急いで干した洗濯物は外だ。ベランダには多少なりとも屋根があるが斜めに降る雨は防ぎようもない。
早退もできるわけもなく、洗い直しが確定した神楽はガックリと机に伏せた。
ホームルームも終わった下校時間。部活動に未所属な神楽は諦めた顔をして折りたたみ傘を鞄から取り出して帰路につく。
神楽は、兄・神威と共にマンションに住んでいる。だが家に帰って来ることはほとんどない。
「最悪アル」
びしょ濡れになった洗濯物を取り込みながらカゴに放り投げて混む前にコインランドリーに行こうと準備をする。洗って乾かすだけで馬鹿にできない大金を犠牲にしなければならない。財布の小銭を数枚数えては冷蔵庫の中身をチェックする。
何とか今日一日は卵かけご飯で凌げそうだ、と安心するが後にやってくる買い物に出かけなければならない。今週の天気予報をスマートフォンで確認してみたが当分は太陽も隠す雨雲マークが並んでいる。
全て投げ出したくなる気分で布団に大の字で寝転び、天井を見つめ続けて数分。雨音に沈みながら神楽は瞼を閉じてしまった。
次に目を覚ましたのは午後九時。夢の中で終わらせていたはずの諸々の用事は終わっているはずもなく、放置したままの洗濯カゴに肩を落とす。
「やってしまったアル…」
窓に打ち付けていた雨は小降りに変わっていたので、重たい腰を上げて神楽は近所のコインランドリーへと向かう。
深夜零時まで営業している此処は辺りに住まう学生達の強い味方だ。乾燥機はどれも埋まっていて色とりどりの服がグルグルと回り続けている。
大きなドラムを開けて湿気臭い洗濯物を入れていく。洗濯と乾燥が一緒になったコースを選んで小銭を投入すると周りの仲間と一緒に回りだした。
所要時間は約九十分。休憩スペースには二人、常備された漫画を読む男が一人と興味なさそうにテレビを観ている男が一人。それぞれ離れて座っていた。
此処のコインランドリーは、便利なことにカフェスペースも設けられており奥にはマッサージチェアが数台並んでいる。チラリと覗いてみるとリラックススペースには誰もいない。
神楽は堂々と三台のうち、真ん中のマッサージチェアに座り好き勝手弄りながら体を揉み解してもらっていた。思わず口から出そうになる極楽の音を抑えながら時間を確認する。
◇
何度も読んだことがある漫画をパラパラ捲りながら乾燥機が終わるのを待っていた。すると、終わりを知らせる電子音が聞こえたので沖田は視線を上げた。まだ自分の乾燥機は回り続けている。リモコンを手にした男性がテレビを消すと立ち上がって次々に洗濯物を畳みだした。
再び目線を漫画に戻し、次の巻数に手を伸ばす。この退屈な数十分の過ごし方を見出せず、沖田は漫画ばかり読み漁っていた。
さっき来た高校生くらいの女は、どうやらリラックススペースにいるらしい。