「あのさ。あの人ってなんで旅行先が温泉でも絶対に俺らと一緒に大浴場使わないで一人だけ貸切風呂借りたり、部屋の狭い風呂使ったりするの?」
友人から投げられた言葉に俺はただ固まるだけだった。
「知らないよそんなこと。少なくとも、向こうに行くまでは家族みんなで入ってたけど?もし気になるなら自分で聞けばいいじゃん」
俺は事実をただ告げた。兄が誰とも一緒にふろに入らないようにしている理由など最もセンシティブで繊細な部分を本人以外の口から告げることなんてできないからだ。
「ふーん、じゃあさ君の魂源って何?ぱっと見ゴールデンあたりに見えるけど。僕たち知り合ってから何年もたつのに知らないっておかしくない?あ、僕はねぇ「鷲でしょ。そんなこと言われなくてもわかるよ」
彼の道化のような態度がひどく嫌いだった。きっと俺の本当の魂源も知って居ての態度だ。「なんでわかったの!」と変え魂である狐をわざとらしく表に出しているがこの人の洞察力の高さは確実に魂源からくるもので間違いなかった。
「じゃあ、君はなんなのさ。まさか本当にゴールデンレトリーバーなんて言わないでしょうよ!もういっそのこと魂源見せて!」
「じゃあ、この家つぶしていいってこと?」
半分冗談、半分本気で言ってみた。家を潰すまではいかないが個々の周りの家財道具やこまごまとした小物はつぶれるだろう。
「は?そんなおっきいのあなた?まさか蛟なんて言わないでしょうね?」
「そんなに小さくないよ。俺はまだ成長途中だから小さいほうだけど最大7mとかはいくと思うよ。」
でかすぎ!などと騒いでいるが仕方ないだろう蛇の目の中でも最大種のアミメニシキヘビだと言われているのだから。確定じゃないのは俺の魂源が未だに成長を止めず、大きくなり続けているからだ。
「じゃあさ、兄の魂源は?あの人家猫装ってるけどそんなわけないよね。あんなおっきい家猫メインクーンでもなかったらありえないでしょ。」
「あー、あれは…あれだよ。前監督と対談したときのコメントで多かったやつ。あれだよ」
そんなコメントあったかなと言っているが結構多かったぞ。
「えっ、あっ、マジで!?面白い兄弟。兄熊なの!?」
などと言っているがあの人ほど熊らしい人はいないと思う。