DMC5 二次創作
ダンテとバージルが魔界から帰ってきたあたり
事務所はモリソンが権利書を預かったままなので維持されている
レッドグレイブからフォルトゥナにかえったネロがときどき様子を見にきて、いつ帰ってきてもいいようになんとなく食糧を置いていってくれてる。
最初の頃はレディもトリッシュも様子を見にきてたけど、だんだん気にしなくなる。
誰が維持費払ってるんだろう?ネロかレディかな…トリッシュもワンチャンあるけどどうかな
ネロならめっちゃカッツカツになってそうおじさんちゃんとあとで払ったりよ
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レッドグレイブの未曾有の災害から3ヶ月と少しが経とうとしている頃、寂れた路地裏に男がふたり、倒れ込んだ。
ドチャッと先日の雨で作られた水溜りに片足を突っ込んだ二人組のうちのひとりが、嫌そうに顔を歪め、もう片方の男がその様を鼻で笑った。
「バージル、お前もうちょっと思いやりとか思い出した方がいいんじゃねーのか」
「お前にくれてやる思いやりがあると思っているのか?ダンテ」
「はいはい、口が悪いのはマジで変わんねぇな」
「……それで、お前はここに見覚えがあるのか?」
バージルと呼ばれた方が、ダンテと呼ばれた方を見る。
煉瓦造りとコンクリート造りの建物、靴と足に悪い石畳。
天気は曇り。通りをいく人はまばらで、足早に先を急いでいる。
ダンテの構える事務所の近くの風景は、ここ数年ですっかり変わっていた。
スラム街といってもいいような場所が、静かな住宅街になった。
どちらかというと、開発の入る前の風景に似ている。
が、見覚えはない。
「知らねえ」
落胆の顔を隠しもしないバージルに、ダンテが舌打ちすんな、と言い返す。
数ヶ月前のダンテであれば、道が分からなくなったところで通りの片隅に表記された住所を見たりして目的地を目指せたし、面倒になればタクシーでも捕まえて行き先を伝えればよかった。
だが、今はその手は使えない。
「あー、クソ。なんであのクソッタレ魔界にゃシャワーがねーんだよ」
「……」
ダンテが前髪をかき上げて深くため息をつく。
彼らが今までいた場所に衛生観念などというものは一切ない。
むしろ汚してナンボ、血が飛び散ってナンボの世界である。
そして、彼らが今までそこにいた、ということはお察しの通り、彼らは非常に身なりが粗末なのである。
「バージル、仕方ねえから夜になるまで待つぞ」
「ああ、わかっている」
人の往来が少ないとはいえ、血と泥と埃と汗まみれの格好は人目に付く。むしろ読んで字の如く、鼻につくのだ。嫌な匂いが。
1000人が1000人、2人を視界に入れて眉を潜め、2人の近くを通り過ぎて息を止めるほどに。
相棒の武器たちは誰に見られることもなく持ち運べるが、自分自身はどうにもならない。
それに、言いたくはないが、ダンテはバージルよりも1ヶ月長く着の身着のままなのである。風呂に入らず、洗濯もせずに。
「バージル、その閻魔刀で好きなところに飛べねえの?」
「飛べるわけないだろう」
「不便だな」
「黙れ」
コンクリートの壁に背を預けてしゃがみこんだダンテが、バージルに問いかける。
もしかして、と彼なりに一縷の望みをかけての問いだったが、それはできないと断言された。
「今何月だ?」
「知らん」
「だよなあ、早く夜にならねぇもんかね……」
2人はまだ気がついていないが、人間の世界の季節は夏の盛りを過ぎていたが、秋は遠い季節。
彼らはまだしばらく、その場で過ごすことになる。
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沈黙したままのネオンの看板の文字──Devil May Cry──にしみじみとした懐かしさを覚えながら、ダンテは扉を乱暴に蹴り開けた。
鍵がかかったままだと思っていた彼は、すんなりと扉が家主を迎え入れたことに驚き、勢いをつけすぎて少しよろめいた。
隣のバージルは消耗が激しいのか、その小さな失態に構うことをしなかった。
「!」
どうせ電気もガスも止まっているだろうと思いながらも、長年続けた帰宅時のクセというのは忘れないようで、ドアの横の電気のスイッチを拳で叩く。
うんともすんともいわないはずの予想は外れ、白熱灯が室内を照らす。
モリソンあたりが料金を肩代わりしたのか?とダンテは付き合いの長い情報屋の顔を思い浮かべたが、健気な現地妻のような気遣いが彼にあるはずがない、と秒でその考えを蹴飛ばした。
バージルが窓際のソファにどっかりと腰を下ろすのを横目に、ダンテは一応仕事用として使っていた机を覗く。
すると、何枚かのメモが日付とともに残されている。
”借金にしておく レディ 0730”
"3倍にして返して トリッシュ 0817"
"戻ってきたら連絡するように。 モリソン 0825"
"冷蔵庫に適当に食い物入れておいた。戻ってきたら連絡しろ。必ず。クソ親父も一緒なら絶対に連れてこい ネロ 0901"
「俺の借金かよ」
馴染みの顔が笑った気がした。
とりあえず、お節介なやつらが料金を肩代わりしてくれたらしい、とダンテは小さく笑った。
電気が通ってるなら、水道とガスも問題はなさそうだと事務所の奥に進む。
途中、くたびれたロングコートを寝室の椅子に放り投げた彼は、狭苦しいシャワールームにたどり着く。
着心地が最悪になってしまったボトムも何もかも脱ぎ捨てて、さっそくシャワーのコックを捻る。
傷なんて可愛らしいものは残っていないが、それでも皮膚にこびりついた血液や誰とも知れぬ悪魔の体液を落とし、目を瞑った。
ずん、と重たい疲れを訴え始めた肉体は、泥のような睡眠を求めていたが、流石にここで眠るわけにはいかないとダンテは無理やり体を動かした。
「おい、バージル……」
シャワーを終え、適当に着替えた彼が兄に声をかけたが、返答はなかった。
ソファに座ったままのバージルは、事務所のソファに座ったまま眠っていたからだ。
自分も寝るか、とダンテは踵を返して寝室に向かおうとしたが、彼専用の皮張りのチェアに座り、足をデスクにのせて瞼を閉じた。
──寝室で寝ていては、兄がいなくなったことに気がつくこともできなさそうだから
いったんここで切ります〜
ありがとうございました。
たぶんぴくしぶあたりにアップします〜