君のSwitchを押したい
いっそダメなら拒んで欲しい。
自分のプライドをズタズタに引き裂いてお前の前に現れる気なんてなくしくれればいいのに、彼は冷えた腕を俺の背中にまわした。服従のポーズを取りつつも、俺に全て委ねることの無いお前に、苦虫を踏みつぶした気分に襲われる。
「Come。…Kneel。」
命令すれば素直に俺の前に跪いて、手を床につける。自身のSwitchをある程度は自在に操れると聞いていたから、逆らおうとすれば逆らえるのに大人しく言うことを聞く。そのことも俺の神経を逆なでして仕方がない。
「Strip。」
できる限りの屈辱を与えたくなる俺の欲望は、暴走するまま、命令を続ける。だが、それもなんてことないと手早くシャツのボタンに手をかけ、俺を誘いながら一枚、一枚床に服を投げ捨て、
「今日は、随分と性急ですね。」
そして、笑う。ただ、笑われただけなのに、なんだか小馬鹿にされたような気がしてしまって、頭にかっと血が上った。うるせえ。
「Sh!」
glareを載せながら、言った命令にピクリと体を震わせ、俺の機嫌が最悪になったことを察し、甘えたように俺の膝に顔を寄せる。
「…ごめんなさい。アシュヴァッターマン。」
「…喋んなっつっただろう…。」
「…。」
glareも効いていやしない。本当のSubなら、本当に彼のSwitchがSubになっているなら、言葉なんて発せられるわけがないのだ。
「見ろ。…俺を、見ろ。」
コマンドでもなんでもない言葉。彼はそんな言葉でも素直に聞き、俺を見上げる。しかし、その瞳に俺は映っているのか?
きっと答えは否、だ。
獣の欲望は強欲に暴れだし、彼を強引にベッドに押し倒すと彼の呼吸を奪う。唇を舌で抉じ開け、口蓋を舐めると、彼の喉が鳴った。彼の怯えた声に唾をのむ。
今、俺はきっと、最強に悪い顔をしてるだろう。
「ンん!」
彼の手首を自分のネクタイを使って束ね、ベッドのフレームに括り付け、股関節を足で抉じ開ける。自分も呼吸をするために一度口を話すと、
「嫌です…。」
か細い声が鼓膜に届く。…なら、safe wordを言えってんだ。本能で俺を拒否しろ。上辺だけで取り繕うな。俺に恐怖しろ。
「嫌、待って!」
いやいやうるせえ、黙れ。俺に脅えろ。従え。うるさい口をまた口で塞ぐと裏返りかけた声が生々しく俺の耳に入った。
舌がピリッと痛み、反射的に下を引っこめる。こいつ、噛みやがった。
「…うるせえ、黙って従えよ」
彼の四肢は熱を孕まず、自分の熱い体だけが今も横たわっている。
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初公開日: 2020年04月05日
最終更新日: 2020年04月05日
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