「お前、ちゃんと胡蝶に思ったこと伝えてるか?」
同僚の宇髄天元に食事に誘われた。鮭大根のある店を探すと言って俺に気を使う宇髄に断りをいれる。
「大丈夫だ。鮭大根はなくてもいい」
こう言ってはなんだが、鮭大根を置いてある店は珍しい。わざわざ探すとなると大変な時間がかかるだろう。春休み中の貴重な昼休憩をそんなことに使う必要はない。義勇はそう思って断りをいれた。
「なんでだよ、お前鮭大根好きだろ?前は毎日食ってたじゃねぇか」
「あぁ、確かにな…だが…もうその必要はない」
「はぁ?どういうことだよ?」
納得いかないとばかりに宇髄が理由を尋ねるので、正直に答える。
「鮭大根は胡蝶が作ってくれるのが一番美味い」
そう言うと、何故か宇髄は目を見開いた。まるで何かに驚いているようだった。その後、ため息をついて諦めたような表情に変わり、冒頭のセリフを口にしたのだ。
「お前、ちゃんと胡蝶に思ったこと伝えてるか?」
「…どういう意味だ?」
「どういう意味もクソもねえよ。そのままだ。お前のことだから、胡蝶の鮭大根が美味いことどころか最近は店で鮭大根食ってないことすら言ってないだろ?」
「…」
「図星かよ…」
確かに胡蝶に言ったことはない。けれど、それはわざわざ言うほどのことだろうか。
「お前は本当…わかってねえな…いいか?女ってのはな、ちゃんと言葉で伝えてほしいものなんだよ!」
「いや、胡蝶にはきっと伝わっている」
なんせ前世から、口下手な自分のことを散々フォローしてくれていたのだ。現世に生まれ変わった今でも、彼女は自分の