多分10分以内で終わるわ。
マギレコやりたいし。
飴村の画像を見ていた。私は制服を羽織る。ついでに兎の耳も外した。親指を滑らせて無花果様宛に飴村の画像を送信する。円上に設置され、見せ物を囲むよう作られたステージの最後列に腰掛けた。観音坂さんから遠い場所にいる。上部に設置されたモニターに冷めた目を向けた。サイレンも女の嬌声も虎の咆哮も聞き流す。
私は用意した電子コンロのスイッチを入れ膝上で小鍋を温める。今日のお昼ご飯は蟹鍋である。
絶対美味しい。見てるだけでわかる。不味い蟹なんてこの世に存在するのだろうか。私は知らない。膝上にじんわり熱が広がっていく。ぐつぐつ煮立ってきたそれに直接箸をつけようとしたところで、キャンセラーから鮮明な音が届いた。
『×××か』
「今蟹食べてます」
『貴様の事情は知らん』
「蟹最高、超大好き」
『……飴村乱数が暴走したら貴様が処分しろ。以上だ』
爪を立てて蟹の殻を剥く。取り出した身にかぶりついた。
「わかりました。無花果様も蟹食べます?何なら残しておきましょーか?あたし、優しいので」
音声がぶつりと途切れる。私は蟹の殻を咥えそのまま笑った。
無花果様は残酷だ。お姫様という生き物にふさわしい性格をしている。何であんなに男が嫌いなのか。さっぱりわからない。
巨大なモニターに映る飴村を見る。ステージ上にいる彼は相変わらず不敵な笑みを浮かべて私の先生を挑発していた。初めて会った時と同じ印象的なピンク色の髪、可愛い服、澄んだビー玉みたいな瞳をぎらぎら瞬かせながらマイクを握りしめてスーパーボールのように跳ね回している。彼のマイクにスイッチが入った。黄色の包装紙から溢れ落ちた飴玉が目を剥き先生を睨んだ。
飴村の口が曲がる。
甘い舌から無果糖の暴言が飛び出す。先生が一瞬よろめいた。
蟹の中身を貪りつつ戦況を私は見守る。
私と飴村くんの関係は何と説明すべきかわからない。女癖も悪く完全にヤリ◯ンかつ全くもって信用ならない男だが、あの甘ったるい嘘っぱちに救われた人間もここにいる。
世界一尊い上愛すべき先生のピンチだというのに。
私はあの日飴村くんの手から落ちてきたマイクとナイフのことを思い出していた。
飴なんて生優しいものじゃない。飴村くんは私をただ助けてくれたわけじゃない。何か理由があっただけ。飴村くんが動かないといけなかっただけ。それにあの二つは飴村くんのこれまでを司るものだった。
でも飴村くんは私に手段を分けてくれた。生き抜くための手数を教えてくれた。いつも余裕たっぷりで。可愛こぶってる飴村くんが神様に向かって吐き捨てる。
「人の過去に踏み込むんじゃねえよ」
私はモニターから目を逸らした。片耳に付いてるイヤリングをぐりぐり触った。どうか暴走しないでと願う。無花果様にはああ言ったが。好きな男のことも、飴村くんのことも殺したくないし始末もしたくない。
センチメンタルに浸っている間、私の近くに人がやってきた。隣に座る。私の鍋から蟹が攫われていく。連れ去られた蟹の行く末を見守った。でかいおっさんの口へ運ばれていく。
私はおっさんを蹴った。でかいおっさんはびくともせずへらへら笑っている。
「死ね!」
「おおきに〜冷凍だがまあまあかな」
「話聞いてました?いつ死んでくれますか?」
「噂のキャンセラー実験台ちゃん、今日は何の視察に?」
「知らない人に話すことはないです。てか殻食べます?カルシウムすごい取れますよ。あと前歯か奥歯欠けてほしい」
「周りを見てみなかわいこちゃん。ライブ会場で蟹食ってる観客なんざ目立って仕方ないあー台詞思いつかないからこの辺後でドラマCD聴き直して」
「無花果様がこの席くれたの」
「無花果ちゃんのお気に入りか」
「そうそう私と無花果様はレズい仲ですから」
「ブワッハッハ!!」
「うわ唾めっちゃ飛んだもう殺す」
爆笑するおっさんに不快指数もどんどん高まる。絶対鍋にも入ってる。映画館におけるポップコーン感覚で持ち込んだ最高の昼食が台無しになってしまった。腹立たしい。
でかいおっさんの風貌を眺めながら考える。絶対ただものじゃない。わざわざ私の隣に来て話しかけてくるぐらいだ。絶対無花果様あたりの差し金だ。
私は安全圏にある蟹を選んで剥いた。
「無花果様の知り合い?」
「んー、そう言われたらそうなる」
「あやしい」
「そういう風貌を心掛けてるぜ。キャンセラーちゃん」
「さっきまでイケブクロの闘いを見てたんだかなあ、聞いてくれよお嬢ちゃん」
笑う。
「革命起こすにはまだまだ程遠いガキだな」
「山田のオタク」
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ヒ夢下書きしてるだけ
初公開日: 2020年04月04日
最終更新日: 2020年04月04日
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コメント
ARBやりながらとうらぶやりながら音楽聴きながらマギレコやりてえ〜〜〜と考えながらヒ連載夢を下書きしています。
ヒ連載夢下書きしてるだけ
酔っ払いによるヒ連載夢下書き(会話文)打ち込み大会。酒は最強であり最高である。 多分ディビバトル終…
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