コーヒー:苦い、黒い飲み物→ミルクやシロップを入れることで色や味が変化していく
目覚ましとしての使われ方をよくされるもの。意識を明瞭にするモチーフとしての在り方?
アイスコーヒー:氷の弾ける音、ストローでかき回す感覚
【五感】
嗅覚→鼻から抜けるような香り、香ばしさ
味覚→強い、独特
触覚→冷たい(普遍的)
視覚→黒い、液体を入れることで見た目が変化する。好みがダイレクトに反映される。その人の性質を表れるモチーフになりうる?
聴覚→カフェや家で飲む時は、アイスコーヒーのみに集中することはほぼない。作業への集中、イヤホンで聴く音楽、テレビの音や家族との会話にかき消されて滲んで溶けていくもの
【プロット】
今回はあえて、聴覚に着目したお話にする?
一人称、女の子、アイスコーヒーを用いた内面の変化の表現ができる?
【本文】
からんと氷が鳴る音は、夏を告げる風鈴のそれによく似ていた。
いつもと変わらぬオレンジのストローでゆるゆるとかき回しながら、私はその日もぼんやりと頬杖をついていた。名前のない息苦しさから逃れるべく足を運んだ駅前のカフェは、やはりいつも通りのささやかな喧騒に満ちていた。パソコンで作業をしているのは、きっと平日の仕事帰りであろうスーツのサラリーマン。真っ赤なピアスを揺らしながら読書するOLのような人は、他人を寄せ付けたくないと主張するかのごとくムッツリとした沈黙を決め込んでいる。
彼らには、スマートフォンを片手に暇そうに座り込む私がどのように見えているのだろう。気にしても仕方のないことに思いを馳せて、けれど現実に直面することからは逃げている自分のことが、やはり私は嫌いだと思った。
「すみません。こちら、相席よろしいですか?」
「えっ」
他に空席もあるのに、返答する前にその少年は向かいの席に腰をかけてしまった。真っ青な青空を思わせるTシャツの垢抜けないデザインとあどけない顔立ちを見るに、恐らく年齢は小学生くらいだろう。それなのに妙に落ち着いた敬語と穏やかな声で話しかけてくるものだから、こちらも事態を把握出来ずにぽかんと口を開けるばかりだった。
しかし、さすがに成人している身で情けない姿ばかり見せる訳にもいかない。心を落ち着かせるために、手元のアイスコーヒーでそっと唇を濡らす。必死に脳内を探り当てるように言葉を選ぼうと努めるものの、結局何も浮かばないまま口を開くはめになった。
「……ええと、何か用ですか?」
「ああ、いえ。あなたが妙に悲しそうな顔をしていたので」
「そんなことは……、たぶん、ないと思うんですが」
「まあ、ぼくの勘違いならいいんですけど」
そうは思っていないであろう口ぶりで、男の子は手に持っていたアイスコーヒーを口に含んだ。ミルクとガムシロップが入っているであろう揺らめきを見て、この子にも子どもらしいところはあるのだと少しホッとする。先程から、私ばかり焦っているような気がしていた。
お年玉を貰った時のような顔で、その子はニコニコと笑っていた。私のことを面白がっているのだろうかと思ったけれど、小さな顔には悪意なんてものは一欠片も無いように見える。
「
後日、実家の母から連絡があった。夏休みの間、親戚の男の子が私の家に泊まりに来ると言う。なぜ身も知らずの子どもを、と抗議しようとしたところで、脳内で点と点が線で繋がった。
どうやら来週から、私にとって初めてだらけの夏がやってくることになったらしい。
【反省点】
途中、不具合により本文が消えてしまったのですが、作中の男の子を「彼」とは呼ばずに「その子」「あの子」という、年齢や主人公の感情を滲ませた形で表現出来たのは良かったかもしれないと思いました。
プロットから少し外れてしまったような気もしますが、久しぶりに一次創作をガッツリと書けて楽しかったです。
また改めてきちんと推敲できたら良いなと思います。