男の子はみんな恐竜が大好き。というわけで今日見てきたのはこの作品!
こないだのハードマサラ上映には残念ながら参加できませんでしたが、見ておきたい作品だったので上映終了前に見てきました。
舞台はベトナム戦争真っ只中の1968年。米軍の精鋭「毒ヘビ部隊」が密林の中で謎の失踪を遂げます。その捜索を命じられたのは、米軍のはみ出し者が集められた「ハゲワシ部隊」。
ハゲワシ部隊はジャングルの中で巨大な足跡を発見します。瞬間、彼らを襲ったのはなんと恐竜の群れ!
ここに、米軍vs恐竜の全面戦争の火蓋が切られる!
「ベトナム戦争に恐竜が乱入」という完全にアンポンタンな組み合わせから、わたくしてっきりリアリティラインガバガバの大味B級映画を想像してたんですが…なんというか、##意外なくらい真面目な戦争映画だった## という感想です。
「プラトーン」や「プライベートライアン」の軍事専門家が徹底監修という惹句に過たず、密林の中でどこから敵が襲ってくるか分からない状況での行軍や、ひとり、またひとりと仲間が倒れていく悲壮感はまさしく正統派戦争映画のそれでした。
襲ってくる敵がベトコンか恐竜かの違いはあるものの、この設定でよくここまで戦争映画のテイストが恐竜映画のテイストに負けないようにできたもんだなあと感心しましたよ。
もちろん、恐竜映画としてのテイストも負けてはいません。こないだ見た「オークストリートの異変」の感想でも書きましたが、小型恐竜が次々と襲ってくる集団の恐ろしさをまず見せた上で、恐竜の王者ティラノサウルスの暴威を描く。本作の人間側は訓練を積み武装した兵士ですが、それでも古代の世界から現れた荒ぶる竜たちの前には撤退戦を余儀なくされます。## 特にラストバトルのティラノサウルス夫婦による人間側パクパクタイムはもはやレッツパーリィといった感じのお祭り騒ぎ。## 中盤までは正統派戦争映画の体を保っていたのに、あそこだけ一気にリアリティラインガバガバのバカ映画になってて最高でした。もうティラノ夫婦を応援してましたからねあそこ。なんかもうリアリティラインが下がったおかげでほとんどゴジラだったし。
あのシーンのティラノは、なんというか「実際の学説を再現したリアリティのある恐竜」ではなく「映画に出てくるモンスターとしての恐竜」になってたと思います。
思うに本作、リアリティラインの上げ下げが上手いんですよ。##
人間パートでは現実のベトナム戦争で知られるようになったPTSDや殺しに伴う罪悪感に苦しむ兵士たちの姿を描く一方で、リアリティラインを踏み越えたスクリーンの中の怪物としての恐竜も描く。
ふつう、ひとつの作品の中でこんなにリアリティラインを上げ下げしたら作品が破綻してしまいそうなものですが、不思議とこのリアリティラインが、あたかも作中の印象的なシーンのひとつであるブロントサウルスの足元で行軍する兵士たちのシーンのように作品内で共存している。これは実は作品構造としてかなりすごいことなのでは。
また、本作ではしばしば敵対状態にない恐竜の群れが描かれます。ゆったりと草を食むアンキロサウルスや、悠然と歩んでいくブロントサウルスの群れなど。
恐ろしい暴威の化身として描かれる一方で、はるか過去から呼び出されたにも関わらず、人間たちには目もくれず悠々と生きている恐竜たち。
このへん、同族同士の戦争でチマチマ争っている人間との対比もあるんじゃないかと思います。
ラストシーン、かろうじて生き残りヘリで脱出した女性学者が、眼下の大地を我が物顔で歩いていく恐竜の大群を見て思わず笑ってしまうのが心に残りました。
必死で戦い抜いて