2月になったのでまた話題作がどんどん上映開始されるのでどんどん見ていかねば。
 というわけで今日見てきたのはこれ!
 誰もが映像化を切望しつつも実現は難しいと思っていた「閃光のハサウェイ」、いよいよその第2弾「キルケーの魔女」が公開! 閃ハサが映像化したなら次は「ガンダム・センチネル」も期待していいんだよね?
 というわけで今回の日記は「キルケーの魔女」のネタバレ全開となっていますのでご注意ください。
 それでまあ感想なんですが……本作、一言でいうと「ハサウェイ・ノア君のトラウマ大博覧会」って感じでしょうかね……。ガノタへのファンサービスが軒並み全部ハサウェイのトラウマで構成されているという……。
 前作の時点ですでにメンタルがだいぶやばいことになってると評判のハサウェイでしたが、今回はなんというかトラウマが悪化しているというか具体性を増してるのでほとんどホラーでした。いきなりクェスの幻覚と話し始めたときには「見えないお友達とお話すんな 兄ちゃんあいさつできねーゾ」を思い出しました。「自由人ヒーロー」の。ザクロは血の味。
 かように本作ではハサウェイのトラウマ……というか脳内世界が現実を侵食してるレベルに達してる描写が、特に終盤のあるシーンで一気に出てくるので見てて「あっこれはもうダメだ……」って感じでした。このトラウマ噴出展開なんか覚えがあると思ったらアレだ、「ボーはおそれている」だわ……。もうこの一連の劇場版のハサウェイ視点のシーン全部が彼の主観を通したトラウマ映像なんじゃなかろうかと思えてくる。もうなにも信じられない。
 間違いなく今まで見てきたガンダム作品の中でもこれだけトラウマ描写に力を入れた作品はなかったと思います。まさにオゲェェといった感じ。
 まあトラウマの話はいったん置いといて、「機動戦士ガンダム」には欠かせないモビルスーツ戦の話です。前作も本作も「暗い」って話がかなり出てましたが確かに暗くはありました。しかし、必然性のある暗さだったとは思います。今回見たのはドルビーアトモスだったんですが、少くとも「意図しない見づらさ」はあんまり感じませんでしたね。
 SNSでも言われてましたが、そもそもハサウェイたちマフティーは少人数のテロ組織なので必然的に戦闘は正面切って白昼堂々の大規模戦闘ではなく夜陰に乗じた奇襲になるのは当然というのは頷けます。それにそもそもこの「夜陰に乗じた襲撃」はあくまでテロ行為であってロボットバトルの文法で描写することを避けているように感じました。本作での戦いをロボットバトルの文法で描いてしまうとそれはどうしてもヒロイックなものになってしまう。本作におけるこの戦闘描写は、あくまでテロ行為であるという範囲から逸脱しないように描写されたものなんじゃないかと思いました。
 戦闘描写自体も、典型的なロボットバトルに比べるとかなり淡々としている描写でした。「巨大ロボットどうしのぶつかりあい」というよりは「戦闘機どうしのドッグファイト」という印象。見ていて「戦闘妖精雪風」を思い出しました。
 あとこの感想を書いてて気づいたんですが、本作では終盤のアレを除いてガンダムのお約束とも言える「パイロットどうしの交感」がないんですよね。クスィーガンダムのライバル機的ポジションのペーネロペーを駆るレーン・エイムとハサウェイは直接的な強い関わりのあるライバルキャラってわけではないし、直接的で強い関わりのあるケネスは司令官であり直接戦闘には出ない。そのへんも本作の戦闘描写を淡々としたものにしていると感じました。
 ……で、例のアレですよ。まあジークアクスであんだけ反則技バカスカやったあとだと「まあ展開的にコレが出てくるのは当然か……」となんかいろいろマヒした感想が出てきます。
 ここぞとばかりにハサウェイのトラウマ大盤振る舞いのあの終盤の展開には「な、なにもそこまでせんでも……」と正直ドン引き。逆シャアのラストをそのまま持ってきて文字通りトラウマの再演をやるなどとは読めなかった、この海のリハクの目を持ってしても。
 特にさあ……ハサウェイに「ならば今すぐ愚民どもすべてに叡智を授けてみせろ!」ってシャアのセリフをそのまま言わせるところとか、「ベルトーチカ・チルドレン」のハサウェイがクェスを誤射してしまった展開をばっちり映像化してトラウマにナイフぐりぐり粗塩スリスリしてくるところとか……なんかジークアクスのせいで「ファンサービス」って名目があればなにしてもいいって認識がまかり通ってないかガンダム界隈……。
 そしてこのハサウェイの一連のトラウマ起動ボタンとなっているのが今回のまさかの新機体「アリュゼウス」! その正体は増加装甲とフライトユニットを装着した量産型νガンダム。で、戦闘中にこの追加装甲が一部剥がれて、そのシルエットがフィン・ファンネル装着時のνガンダムそっくりになるという……。
 ジークアクスでも思いましたが、この辺の演出は見ててガンダムの歴史で顔面パンチされた気分でした。前が見えねえ。
 本作を見ててハサウェイの不完全さというか、身の丈に合わないことを無理やりやっている感を強く強く感じました。wikiによればハサウェイは「アムロからは『ガンダム』を、シャアからは『地球の保全』という遺志をそれぞれ受け継いだ戦士となる」とありますが、なれてないんだよなあどちらにも。彼は反連邦組織「マフティー」の架空の人物「マフティ・ナビーユ・エリン」として周囲から祭り上げられているだけで、あくまでハサウェイ・ノアでしかない。なのに、いわば容量が限られてなおかつヒビが入ってるコップに無理やり大量の水を流し込んでるような状態だと感じました。
 本作では「肉欲」「解脱」といったやけに仏教的なワードが出てきますが、それで考えるとハサウェイはサトリに到達できるはずもないのに業(カルマ)に囚われたまま苦界であがいている人間と見えました。個人的にはガンダム作中で真の意味でアセンションを通過して人類の新しい位階に到達したのはララァだけだと思ってます。で、アムロとシャアはかろうじてララァと交信するだけの能力を持っているからこそ、逆シャアでララァの声を聞いている。
 しかしそれをそのまま再現したかのような本作終盤のあのシーン、あれはじゃあ同じようにハサウェイがアムロと交信しているシーンかというとそれは違うと思うんですよね。あれ全部ハサウェイの頭の中のトラウマでしかないと思う……。
 本作はたしか三部作ということでアナウンスされてたと思うので次で完結となるはずなんですが、あのラストはそのままなのかそれとも……。でもまあどのみちハサウェイには救いがないので早々とお通夜気分になっているわたくしでした……。
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【ネタバレ注意!】TOHOシネマズ梅田「閃光のハサウェイ キルケーの魔女」見てきました……。
初公開日: 2026年02月02日
最終更新日: 2026年02月03日
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