「スタンリー・スナイダー!!」
 スタンリーはビクリとすると佇まいを直し、タバコを消した。
「……ん、なんよ」
 何を言われるのか、別れを切り出されるのかソワソワしながら待つスタンリーは眉尻が下がり子犬のような出で立ちであった。
「……あのね、太ったの」
「ッス〜〜〜〜〜」
 耐えたァ、と思いきや、この可愛いKittyは何言ってんだと首を傾げる。
「5キロも!5キロも太ったんだよ!?」
「OK,キョウカ、お前の可愛い面積が増えたんだからいい……」
「わけないよね?」
 スタンリーは、はっ、と気がつく。これはダイエットに託けてえっちな運動に……
「だから運動に付き合って欲しいの」
 Yessssss!スタンリーはスタンリーは歓喜の声を挙げそうになったがグッとこらえて新しくタバコに火を付けて深く息を吸った。
「その、スタンリーの軍のブートキャンプに混ぜて欲しくて」
「は?」
 このちまこいもちもちの彼女があんなむさっ苦しい男どもの間に挟まってふうふういわせる……?そんなことは何人たりとも許せないと思うものの可愛いKittyのお願いだし……えっちのお誘いでなかった哀愁を漂わせながら、くるくると頭を悩ませる。
「だめ……?」
「いいぜ」
 スタンリーは弱かった。Kittyのお願いにはとことん弱かった。
 §
180cmは優に超えるであろうバッキバキに鍛え上げられた軍人達の間にちょこんと立つちまこいキョウカ。やる気だけはその軍人達にも勝る勢いであった。
 スタンリー'sブートキャンプは過酷で有名である。新兵はこれでトラウマを作り精神を病んでしまうものも少なくない。いきなり無人島に放り込み、ナイフ1本で1ヶ月過ごすなどあたりまえのようにやらせる鬼になるのだ。しかしそんなことをかわいいかわいい彼女にできるわけもなく、言葉で罵倒するにも少し気を抜けばそういうプレイに見えかねないし、で、こっちはこっちで気を張る羽目になったのだ。しかし可愛いKittyからのお願い叶えずに男と言えようか。スタンの腹は決まった。
 男たちの怒号が響く
「てめぇら舐めてんのかッ!?」
「Sir, yes sir!」
「声がちいせぇんだよ!」
「Sir, yes sir!!!!!!」
「キョウカァ!声出出てねぇぞ!」
「っ、はぁ、さー、はぁ、いえっさー!」
「聞こえねぇんだよ!」
「さー!いえっさー!!」
 スタンリーはギッと新兵と新兵と一緒に並ぶ頭ふたつ小さいキョウカをみて目の前に輩のように座り込むとふうふう言いながらスクワットをするキョウカを見る。また注意される!と思い込んだキョウカはより深くしゃがみ、少しキレイめなスクワットを行う。こんなに怒鳴りつけられるなんて考えてなかったしもっとソフトなものだと思っていたらこんなにガチガチハードブートキャンプだなんて微塵も思っていなかったのだ。
「んなんで痩せられると思ってんのか!もっと腰下ろせ!」
「は、はひ!」
 もうなにを言ってるのか分からなかったがスタンリーの言うことを聞かなければとヒィヒィふうふう言いながらスクワットをする。筋肉の肥大化が目的では無いキョウカに重りはつけられていないがスタンリー隊長が目の前に座り込んでガンつけられて可哀想にと両隣の新兵は思うなどした。
「豚の方が痩せてんぞ!」
「は、はいっ!」
「ちげぇだろ!!!!」
「さーいえっさー!」
 カタカタ足腰をふるわせながらキョウカはスクワットを続ける。輩座りのスタンリーは目の前で圧をかけてくるし隣の屈強な男どもも限界が近い事がわかる。
「お前らはアメリカ、いや、ゼノの盾となり鉾となるんだろ!」
「Sir, yes sir!!!!!!」
「お前は痩せるんだろ!そのままだとデブのままだぞ!しぬきでやれ!!!」
 こんなことを言いつつもスタンリーがキョウカの前で輩座りをしてるのは意味があった。もちろん初心者を見張るという意味もあったが、周りの男どもがふうふう言ってるのキョウカをいやらしい目で見ないようにするためでもあった。怖っわい教官が近くに居たら見たくなくて目をそらすという狡い手法を使ったのだ。それを知らない教官側の軍人は可愛い女の子がひいひいふうふう言いながら頑張ってトレーニングに着いてきてるのに怖っい隊長にガンつけられてるとアーメン救ってやってくれと信じてもいない神に祈るしからできなかった。
「スタン、もう無理ぃ」
「全員スクワット50回5セット追加な」
「へ?」
「返事ィ!」
「さーいえっさー!」
 全員?全員って言った?申し訳なさを感じながらも、もう既に足腰の限界を感じているキョウカ。あと250回もやってしまったらぶち壊れると体が悲鳴をあげている。しかしまだやんねぇのか?ペナルティか?という声が聞こえ、急いでスクワットの体勢をとる。増えるなんて溜まったものではない。すでに300回近くやっているのだ。それそこおかしくなってしまう。涙をポロポロこぼしながらほんとに無理ぃとスタンリーに懇願するキョウカ。
「泣いて許されんのはガキまでだぞ!!!!痩せたいってほざいたのはどこのどいつだ!!」
「Sir、ひぐっ、私です」
「じゃあどうするんだ!」
「やります!!」
周りの男たちとは周回遅れが出ていたものの、なんとかか終わらせて座り込むと新兵たちが涙ぐみながら拍手を送っている。
「アンタ、軍人向いてんじゃない?」
と、マヤが言っているのを聞きながらスタンリーにはありがとうと言うと次はいつするよと言い出す。キョウカはもう二度とこんな思いしたくないのでやる気はなかったがスタンリーはやらせる気満々であった。目の前で自分の好きな女がえっろい息吐きながら汗水垂らしている姿を特等席で見れるのだから。
「あ〜、しばらくはいいかな…?」
「コンスタントにやらないと痩せねぇよ?」
「じゃあ、来週……?」
「来週の月水金な」
「え!?3日も!?」
「痩せるんだろ」
「うん……」
キョウカのスタンリー'sブートキャンプは始まったばかりである。
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ドクスト夢
初公開日: 2025年11月08日
最終更新日: 2025年11月08日
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dcst夢 スタンリー相手 お題 ダイエット