ぱち 
いつも通り目を覚ます。
灰色の天井を眺めて、眉間に皺を寄せチッと舌打ちを打つ。また血みどろの一日が始まるのか。そう思うと憂鬱で仕方がない。
ゴミだらけの部屋のゴミをかき分け冷蔵庫に手を伸ばす。
カラの冷蔵庫。かろうじてトマトがあった、これでも食うか。
テキトーに取り出したトマトに齧り付いてテーブルに置いてあった塩をふりかけまたひと齧りする。
じゅわりと果汁が口いっぱいに広がるのを抑え込んでトマトを食べ切る。
よし、腹ごしらえは完璧だ。
仕事に行こう。
扉をギィと開けて仕事へ出かける。
俺の仕事?
掃除屋。
ただの掃除屋じゃねぇ。
俺のターゲットは”ぬいぐるみ”
要は隠語だな。
仕事場に入りデスクに置かれたリストを眺める。今日は4人か、まぁ少ない方だな。
リボルバー拳銃を手に取り早速ターゲットのところへ赴く。
拳銃の理由?
そんなん殺すか殺されるかのスリルがあってたまんねぇからだろ。
まず1人目。
「よぉ、んじゃ早速死んでもらうぜ」
路地裏にいる巨漢の獣人に話しかける。そいつはキョトンとしたような間抜けなツラをしたあと今更凄むようなギロリとした目線に変わる。
「なんだてめぇ、死にてぇのか」
ドスの聞いた獣人の声が地を這う。
「死にてぇのかって、、いや死ぬのはおめぇだ」
リボルバーを構え真っ直ぐと獣人の胸を狙う。
「ハッ、そんなチンケな銃で俺が殺せるかってんだ」
獣人はゲラゲラ笑いながら俺を見下す。
「できるんだな、これが」
 チ  カ
ショートカットを決め、相手の顔に一発蹴りを入れる。クリーンヒットだ。相手はよろけて膝を地につけた。
カチャ
「チェックメイトだ。あばよ」
バンッ
カット
Latest / 49:23
カットモードOFF
03:53
にぃに
目線の先に転がるぬいぐるみはその綿の中身をぶちまけている。
06:03
にぃに
ああ、またアンタかい。性懲りも無くリセットばかり繰り返して。
07:12
にぃに
へへ、まあいいさ。こんなのはもつ慣れたし……とっくに諦めたからさ。こんなことしたくないって言うのに。
07:43
にぃに
「マス、そんなに舌打ちしないでおくれよ」
08:47
にぃに
目の前で舌打ちをしながら転がり落ちるぬいぐるみを見下すように眺めるマスタードはあらかさまに不機嫌だった。
09:21
にぃに
「まるでてめェのダイスキなトマトだなァ?」
09:41
にぃに
マスタードの低い、唸るような声が頭蓋骨に響き渡る。
10:22
にぃに
「そういえば……まだ何も食べてなかったな……。へへ……なんか食べるかい?」
10:45
にぃに
「イヤ……、…………ハハ」
11:11
にぃに
唐突に笑いだしたマスタードに眉間に皺を寄せて見つめる。
11:31
にぃに
この顔は……。厭らしいことを考えている時の顔だ。
11:45
にぃに
「またアンタ、えっちなこと考えてるだろ。へんたい」
12:35
にぃに
「バレたかァ……?ハハハ……、メシよりもてめェがイイッてそう言おうとしてたわァ」
13:02
にぃに
マスタードの厭らしい笑みにひく、と口元が引き攣る。
13:42
にぃに
ついさっきぬいぐるみをひとつ片付けたばかりなのに。元気なこって。
14:46
にぃに
「勘弁してくれ。目立たないようにとはいえ……ぐちゃぐちゃなんだよ」
15:02
にぃに
「ドコがグチャグチャだッてェ!?」
15:48
にぃに
「言ってないよ。まったく、そのえっちなことばかり考えちまうその頭、冷やした方がいいぜ?」
16:03
にぃに
マスタードの元気っぷりにまったくついていけない。
16:26
にぃに
こっちは重労働で忙しいっていうのに。ちょっとは手伝ってくれよ、ばか。
17:44
にぃに
「ハハ……イ〜ィツラだなァ、ケチャップ♡♡」
17:54
にぃに
「何が言いたいんだ……マスタード……」
18:46
にぃに
でれぇッとした顔して蕩けた表情をするマスタードに眉間に皺を寄せたまま、オイラに詰め寄るマスタードをぐい、と押し返す。
19:18
にぃに
「随分汚れちまッただろ?帰ッてフロ入ンなきゃなァ♡♡」
19:29
にぃに
「……ッッ、ひとりで、入るんだからな!!」
20:02
にぃに
「させるか、このクソザコがァ……♡♡てめェはオレと一緒に入るンだよォ♡♡」
20:20
にぃに
嫌がるオイラにマスタードは全く引いてくれはしない。
20:58
にぃに
それどころか興奮したままの表情をぶら下げてオイラに抱きついて来るのを止めないのだ。
21:06
にぃに
「ッッ、やだ、マスタード、」
21:40
にぃに
オイラが弱々しい声で止めてもマスタードの抱きしめる腕の力は全然緩まらない。
21:57
にぃに
「ッッ、やめろッて、言ってるッッ!!」
22:30
にぃに
声を荒上げて、オイラが止めればマスタードはか弱い子犬のようにきゃうんッと声を上げた。
22:51
にぃに
「……悪ィッて、ケチャぁ……、怒ンなよォ……♡♡」
23:27
にぃに
くぅん、と甘えるような鼻の鳴いた声を漏らして必死に媚びるようにオイラのご機嫌取りをし始めた。
24:39
にぃに
「そんなに風呂に入りたいなら……、さっさと終わらせようぜ。こんな茶番、もう充分だ」
25:13
にぃに
オイラがふてぶてしくそう言い放てば、マスタードはまるで犬のように従順にオイラに付き従う。
25:48
にぃに
「YES、my Honey♡♡さッさと終わらせようぜ♡♡」
26:28
にぃに
ニヤッと口角を釣り上げて笑うマスタードにオイラはやれやれと肩の荷をおろす。
26:46
にぃに
まったく、 " 骨 " が折れるな。
27:03
にぃに
こんなことばかりやってちゃ身体がまいっちまうよ。
28:51
にぃに
またひとつ、ぬいぐるみが頭をぶちりと引きちぎってその中身の綿をもたげていく。
29:18
にぃに
やれやれ、またのお越しをって言わなきゃ……わかんないかな。
30:17
にぃに
もっと続きが見たいって?さあ、どうしようかな。
30:36
にぃに
次のバトンは誰が持ってるか、アンタたちにしかわかんないんだぜ?
30:44
にぃに
そうだろ、ルアー・ソルティ?
31:32
にぃに
「へへ……、へへへ……あれも持って来なきゃ……いけないなぁ……」
32:29
にぃに
くすくすと笑うオイラにキョトンとしたマスタードがなんだか可愛らしく見えちまうよ。
33:11
にぃに
「なァに笑ッてやがるンだァ?」
33:23
にぃに
「アンタのオキニを思い出したのさ」
34:11
にぃに
マスタードの言葉に吊り上がる口角をそのままに笑い返してやれば、マスタードはハッ、とオイラを笑い飛ばした。
34:39
にぃに
「オレのオキニなら散々借りパクしてンだろォがよォ……♡♡」
34:51
にぃに
「ルアー・ソルティ、覚えてる?」
35:20
にぃに
オイラの言葉にマスタードはニヤッと笑って片手でグラスを持つ仕草をした。
35:38
にぃに
「てめェもトリコかァ?ケチャップ♡♡」
35:54
にぃに
「そうかもな。オイラ……意外と好きかも」
37:11
にぃに
ぽつりと呟いたオイラの声にマスタードは真っ赤に染まったセーターをそのままにまたオイラの肩を掴む。
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