とっさに防護フィールドを張るも、ネグザルツは連続して被弾。切断された尾部の再生が間に合っていないため崩れた姿勢を立て直せない。
 かろうじて機首を上げたときには、すでに眼前にレインディアの太刀が迫っていた。渾身の一太刀がその機体を正中線(クリティカルライン)から両断するかに見えたその寸前、かろうじてネグザルツは抜き様の太刀でそれを受ける。
 両者の放った太刀が交錯した瞬間、ネグザルツは瞬間の判断で太陽剣の太刀筋をずらした。増加装甲を着装している分、質量で優るレインディアがそのままネグザルツを押しつぶそうとブースターを全開にするのがほぼ同時。
 瞬間加速したレインディアの巨体の表面を滑るように、ネグザルツはその後方に占位する。レインディアが方向転換する前に、ネグザルツはほぼ真後ろに向けて太陽剣を展開。
 太陽剣・穿(ウガチ)。
 すれ違いざまに抜き放たれた鋭い突きが刺し貫いたのは、装甲に覆われていないレインディアのブースター。推進器官であるブースターへのダメージは、そこに繋がっている機肺(ラング)へフィードバックする。
 ブースターに直撃を受けたレインディアは、その機体後部から結晶化した星間物質(エーテル)をこぼしながらも態勢を立て直す。しかしその動きは、一瞬で視界から消えるほどのスピードを持っていた会敵時点と比較して明らかに精彩を欠いている。
 ネグザルツはレインディアの戦力を削ぐ作戦に出た。持久戦の限界点を見極めることが、この戦いの勝者を分ける鍵となる。
 態勢を立て直したレインディアは、再び二振りの太陽剣を構え直した。今度は八相(スターボード)と左八相(ポート)の構え。――左右からの「蛟」か!?
 瞬間、レインディアの増加装甲から伸びた光翼がねじれるように羽ばたき、その巨躯を水平方向に旋転させた。
 偽太陽剣・廻(メグリ)。
 二振りの太陽剣を左右に構えた状態での回転攻撃。「太陽剣の二刀流」という本来ありえない装備が実現した、慮外の業。
 とっさに受けるものの、ネグザルツは間断なく繰り出される斬撃を受け止め続けざるを得ない防戦一方の姿勢を強いられる。太刀を外そうにも、単純な機体出力と質量で劣るネグザルツにはそれもできない。
 三振りの太陽剣がぶつかる火花とともにネグザルツは大きく後退。エクソダスの動力中枢エリアの外縁部を構成する格子状の構造物を次々と突き破っていく。
 後方に高熱源反応。外縁部を突き抜けて二機がたどり着いたのは、エクソダスの動力コアエリアだった。巨大な光球状の動力コアの周辺は強大なエネルギーで空間が歪んでおり、陽炎のように揺らめいている。
 レインディアはそのまま勢いを緩めようとしない。このままでは二機もろとも動力コアに突入し、蒸発してしまうだろう。
 すでに動力コアの膨大な熱量はネグザルツの防護フィールドで防げなくなっている。装甲表面はすでに溶解が始まっていた。
 
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初公開日: 2025年04月07日
最終更新日: 2025年04月08日
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