もうすぐ秋季例大祭という時期になってきました。紅楼夢は読了するのに時間がかかる小説本が多いのでどんどん進めていかねば。
・小鈴が将来医者を目指すのも良いかなと考えるようになる話 星拾いの地にて(折葉坂三番地)
東方小説系サークルでイチオシのサークルさん、今回は紅楼夢新刊に加えて求代目の紅茶会の新刊も入手したので合わせてレビューします。
「小鈴が~」は、ちょっと前に全巻無料公開されてた「スーパードクターK」つながりのお話。折葉さんのtwitterで知ったんですが、本作は小鈴の元ネタである本居宣長が医者でもあったというところからも来ているようす。
本作は16ページの短い作品ですが、その中に阿求の寿命問題、阿求と小鈴の関係性、幻想郷の医療事情などなどさまざまな要素が詰め込まれています。ふつうこれだけ短い尺の中にこれだけ多様な要素を入れようとすると詰め込み過ぎで内容がどっち付かずになってしまうものですが、本作ではたくさんの要素をちょうどいい要素に切り取って限られた尺にきちんと収めています。
作品はしばしば料理に例えられますが、本作はさまざまな品目をきちんと図って収められた弁当箱のような印象を受けました。各メニューがきちんと入っているので栄養豊富でなおかつ食べやすい。
小鈴が医者を目指すことを意識し始める理由が阿求を助けたい一心で、というのも納得感がありつつふたりの関係性を強く意識させるものだったのがよかった。あきゅすずはいいぞ。
「星拾いの地にて」、こちらは佐渡の海に巣食う大百足とマミゾウさんの大バトルを史実を交えて描く作品。怪獣バトルは後半部分、前半部分は石花将監にまつわる史実を描いています。
マミゾウさんは東方キャラの中でも特に外の世界とのつながりが強いキャラのひとりであり、本サークルさんの作品の中でも頻繁に史実の人物と絡んでいる印象がありますね。
後半では一転して荒唐無稽な妖怪バトル。このサークルさんのバトルが面白いのは、ちゃんとそれぞれのバトルにルールがあるからだと思います。本作では三すくみになぞらえて、マミゾウさんは巨大な蝦蟇を召喚することで相性で戦ってるわけですね。さらには大百足という妖怪の天敵とも言える、百足退治の伝説を持つ英雄・俵藤太の姿を取ることで勝負を制します。いっぽうでこれはあくまで化かし、つまり本物を真似て行われるまやかしでしかないともしているのが面白いところ。これをして「かりそめの有利で勝利を化かしたに過ぎない」と表現しているのも化け狸の戦いならではといった感じでキャラの個性がよく出ていると感じました。
本サークルさんのバトルは、単なる力での押し合いではなく、ルールと法則に則ったパズルバトルといった感じで好き。
今日はここまで。