思考と行動が瞬時に連結し、ナノセカンドの間にネグザルツは最適解を導き出し実行した。
拡散太陽剣、抜刀(アクティベート)。
超指向性を与えられた通常の太陽剣とは逆に、全方位に向けてエネルギーを放射する剣技。ネグザルツを中心として放たれた、その名のごとき太陽の輝きが小型機を一瞬にして灼き尽くした。
敵編隊に空いた穴に機首を向け、ネグザルツは疾走する。目指す超重力圏「奈落(アビス)」の方向からは、未だ重力圏内にも達していないにも関わらずその(・・)気配がした。
(本文につなげる)
直撃すれば一撃で防護フィールドが吹き飛ばされるであろうその光撃を、ネグザルツは蛇行軌道で回避。同時に、ファフニールの随伴機に太陽剣の照準を定める。ファフニールは随伴機による広範囲攻撃で敵機の間合いを潰し、身動きを封じたうえで主砲からの光撃を加える型(パターン)を好むことをネグザルツは知っている。――そう、知っているのだ。
急激に加速してファフニールの背後に占位したネグザルツは、左右に二機ずつ展開した随伴機のうち左側の二機を直線上に繋げる位置から太陽剣を放つ。
本体に比すれば大幅に耐久力の劣る随伴機は、太陽剣の直撃を受けて装甲が蒸発。数瞬のうちに四散した。しかし、同時にファフニールはその巨躯に似合わない旋回性能で機体を旋転させネグザルツに主砲を向ける。反射的に射線から逃れようとするネグザルツだったが、その機首方向には残った随伴機が偏差射撃を行い、回避方向を封じている!