ぶら下がっている根元から、プチンともぎ取る。つるりとした薄桃色の実はぎっしりと中身が詰まっているのか、持ってみると見た目よりずっと重さがあった。
すごく、いい香りがする。
今まで嗅いだことのある果実の中の、どれとも言い難い。苺のような、桃のような。それらともまた違うような。筆舌に尽くし難い、未知の香り。
クンクンと鼻を震わせ、鼻腔に到達した芳香が脳をゆらりと揺らす。その果実の甘さを脳が勝手に作り上げ、じわりと唾液が口腔内に滲み出した。
ぐう、と腹の虫が騒ぐ。
誰も見ていないのだから、食べてしまえばいい。
ひとつくらいなら、大丈夫。
頭の片隅で、都合のいい囁きが聴こえて──。
ガブリ。
鋭く尖った犬歯を果肉に突き立て、齧り付いた
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灰武妖怪パロ
初公開日: 2024年03月24日
最終更新日: 2024年03月24日
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