今日もサンサン劇場。明日もサンサン劇場。明後日もサンサン劇場。あなたの人生にサンサン劇場。もはやサンサン劇場に住むしかない。
というわけで今日は久々に2本見てきました。
まず1本目はこちら!
映画館でも自宅でももうかなりの回数見てますが上映されるなら何回でも見に行きますよ。え? なんでそんなに何回も同じ映画を見るのかって? ヤクは何回キメても気持ちよくなれるからですけど?(「なにを言ってるの?」という顔)
というわけで今回もキメてきましたパプリカ。いやーもうOPの段階で音響がビリビリ響いて気持ちいい。塚口の音響はもはや一種のセラピーと言えるでしょう。そしてこの音響が平沢進のBGMとまた相性がいいんだよなあ。
気持ちいいと言えば本作で夢が混線して錯乱した人々の口にするワードサラダ。言ってることは全部支離滅裂なんですが不思議なリズム感があって好き。オセアニアじゃあ常識なんだよ!!(病院の窓をブチ破りながら)
今敏監督作品はどれも一貫して「現実と幻想」を描いているのでとってもP・K・ディックみを感じるんですが、粉川刑事が見るエレベーターの悪夢のシーンや、序盤の廃遊園地で敦子が手すりを飛び越えようとしたシーンなど、現実(と思っていた光景)の不安定性を物理的な現象でもって描いているのが好き。確かな立脚点であったはずの「現実」が文字通り足元が泥のように崩れていくシーン。そして終盤の伝説的名場面といえる現実と妄想が入り交じる狂気のパレードのシーンでは、もはや現実の確実性は完全に瓦解し幻想と等質の存在と成り果てるわけです。ステキ……。
そして本作ではしばしば「映画館」というシチュエーションが登場しますが、だからこそこの作品は「映画館で見る」という行為とセットではじめて完成するような気がする。なにせ本作を映画館で見ることによって「映画館のスクリーンの中の映画館のスクリーンの中の映画を見る」という二重構造が発生して頭がおかしくなるのでおすすめ。
次、例によって例のごとく前情報は全然知らなかったものの、ポスターと予告編を見て心の妖怪アンテナが反応したので見てみたこの作品!
サンサン劇場的にも推し映画なのか、塚口のファッションリーダーこと秋山殿も「ゴーストワールド」仕様。
本作は2001年に公開された作品で、公式サイトによれば去年の11月から全国の映画館でリバイバル上映されていたそうな。
高校を卒業した幼なじみのイーニドとレベッカ。ふたりははみ出し者同士で家族をはじめとする周囲の人々とうまく馴染めずにいます。そんな中、早々と自立の準備を進めていくレベッカと高校を卒業したあとの社会との折り合いをつけられずにいるイーニドとの関係は次第に悪化していき……。
という導入だと、本作はよくある青春物語のように思えますし、本作はある側面では直球の青春物語です。しかし本作はそれにとどまらない、ある側面では王道の青春物語の構造を裏切る結末になっていると感じました。というかそもそも本作の青春物語的側面はガワでしかないのでは……?とすら思うんだよな……。
いきなりラストシーンの話になるんですが、だんだん周囲と噛み合わなくなってどんどん期待していたものや拠り所を失っていったイーニドは、最終的にすべてに見切りをつけるかのようにバスに乗って街を出ていきます。つまり彼女は支え合えるパートナーに運命的に巡り会えたわけでもなく才能を見出されて天職に就けたわけでもない。では本作はイーニドが完全に社会からはじき出されて終わりというバッドエンドかというとそうでもない気がする。
そもそも本作におけるイーニドとレベッカのふたりは実は表裏一体で、言ってみればイーニドは社会に適合できなかったレベッカであり、レベッカは社会と折り合いをつけたイーニドなんじゃないでしょうかね。スタート地点は同じでも違うルートを辿って違うゴールに辿り着いたという。
そしてそもそもイーニドには社会と折り合いをつけることそのものが不可能だったんじゃないかと思います。彼女にとっての唯一の正解は、彼女を取り巻く社会そのものであるあの街から去ることのみだったのでは。終盤での出来事はもはや彼女の手が届く場所の話ではなくなっており、彼女ひとりに力ではどうしようもないことでした。そんな中、最後の最後で「バスに乗って街を去る」という自発的な選択をできたというのが唯一の救いだったように思えます。
なんとも寂しい結末でしたが、仮にイーニドが上記のような理想的な救いを得たとしても、それはイーニド自身に対して、そしてスクリーンを通してイーニドに自分を重ね合わせてしまうような社会にうまく適合できていない人達に対する裏切りになってしまうでしょう。イーニドは社会と折り合いをつけられないまま街を去るというのが、なんというべきか「救われないのが救い」といった感じでしょうか。
また本作はスタッフロール後にCパートがあるんですが、この感想を書いてる時点でもあれの意味がよくわからないんですよね……どういう意味なんだあれ……。
あとスティーブ・ブシェミ演じるシーモアが自分の好きな古いレコードの話でオタク特有の早口になるシーンで見に覚えがありすぎてオゲェェとなりました。