冬コミ戦利品レビューもいよいよのこり5点となりました。もう1月も終わってしまうのでどんどん行きます。
・白々問答 てるもこの寺子屋学芸会(くろぬこ亭)
 前回に引き続き、サークル「くろぬこ亭」さんの作品です。
 「白々問答」、タイトルにある「白々」とは、白蓮のと白澤=慧音のこと。本作はタイトル通りふたりの問答、そして彼女らの抱える過去や情念を描いた作品となっています。
 白蓮も慧音も、東方二次創作においては聖人君子とまでは行かないものの、美しく優しい人物として描かれることが多いキャラクター。しかし本作……というか、本サークルさん描かれるところの幻想郷においては、両者は妹紅を巡って愛憎渦巻く感情を抱えている人物として描写されているのが印象的。二次創作においてはキャラの性格や特徴付けが一定方向に固まることが多いですが、本サークルさんの東方二次創作におけるキャラ付けはそうしたいわゆるお約束的なものから大きく逸脱しているのでギャップが大きい。
 そしてストーリーもかなりインパクトとショックの大きいものとなっています。白蓮が老いることを恐れて邪法に手を出したというのは公式設定ですが、本作では白蓮は過去に蓬莱人となった妹紅を救い、自らが不死となるためにその生き肝を食らったという凄惨な場面が描写されています。
 このサークルさんの作品の魅力は、こうした場面をただ単にショッキングなシーンというだけではなく、史実に絡めて描写していたり、本作で言えば後半部分の問答にしっかり繋げているという点だと思いますね。
 「てるもこの寺子屋学芸会」、表紙とタイトルからほのぼの系の作品かと思いきやさにあらず。古代日本を舞台とした学芸会の劇の内容、これはもう明らかに「火の鳥」をモチーフにしたものでしょう。そこに輝夜と妹紅が絡んでくるのはもはや必然と言っていいでしょう。
 それにしてもちょっと気になったのは輝夜の描写。本作では輝夜は普通の等身とギャグ漫画でよく見るようなジャージ姿の2等身で描写されてるんですよね。そういうものだと言ってしまえばそれまでなんですが、この描写もなんというか、輝夜の二面性、不安定性を表現しているような気がします。そもそも本サークルさんの作風自体にこうした多面性があるような気がする。
 そしてラストに出てきた霊夢のまとったオーラが明らかにカタギのそれではない。本サークルさんの描かれる東方二次創作において、いちばんお約束描写から離れてるのは霊夢かも知れません。
 今日はここまで。
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