そんなことを考えながら、木の陰に隠しておいた買い物袋を見ると……。
「ちょっと! 袋が破けたじゃないの!!」
「えっ? あっ……あちゃー……」
運悪く流れ弾が当たってしまったのか、買い物袋が破けてしまっています。霊夢はたちまち激おこ状態。
「……えーっと……」
空気すら震わせる博麗の巫女の怒りに、ルーミアは思わず小さな体をさらに縮こませてしまいました。
「……そ、その、ごめんね霊夢! また遊ぼうねー!」
それだけ言い残して、ルーミアは全速力で逃げて行ってしまいました。
「……今度会ったらただじゃあおかないわ」
その背中を目で追いながら、霊夢は大きなため息をひとつ。ため息と一緒に怒気を吐き出して、霊夢は改めてルーミアの様子を思い出します。
今までとはまったく違う、踊るような動き。陰陽玉や退魔針を簡単にかわした身のこなし。
「しかし……あいつ、いつもとなにかが違ったわね。くるくる踊りながら弾幕を張ってくるなんてテンションが明らかに高すぎる」
今はまだ姿を見せない何かによって、妖精たちやルーミアの様子がおかしくなっている。それはたしかです。しかし、まだそのなにかの正体はわかりません。
「ついこの間起きた似た何かを感じる……。もしかして……」
四季異変。幻想郷の季節がめちゃくちゃになってしまった異変。
しかし、その首謀者でったあの究極の絶対秘神を、霊夢は確かに倒したはずです。
「まさかね。約束はきっちりと取り付けたはず」
そうひとりごちて、散らばった食材を拾い集める霊夢。けれど、その時の霊夢は、この小さな異変の正体はまだわかりませんでした。
「ひゃー、やっぱり霊夢は怒らせるとこわいなあ……」
霊夢のところからかろうじて逃げてきたルーミアは、いつのまにか魔法の森の方に飛んできていました。
周りはいつの間にかすっかり日が暮れて、夕焼けのオレンジ色に染まっています。けれど、ルーミアはまだまだ踊り足りません。あれだけ霊夢と踊りながら弾幕ごっこをしたというのに、ぜんぜん疲れていないのです。
そしてそれは、魔法の森に住んでいる妖精たちも同じようでした。
ルーミアの姿を見つけた妖精たちが、たちまち森の中からわらわらと姿を現しました。
「るーみあだー!」
「あそんで! あそんでー!」
ひまわりを抱えたひまわり妖精、魔法の森に住み着いた妖怪うさぎ、そして毛玉まで、たくさんの妖精や妖怪が隊列を作って、ルーミアと同じようにリズムに乗って弾幕を放ってきました。
「わーい! みんなやる気だね! わたしも負けないんだからーっ!」