バーフバリバーフバリしてるあいだにもう来月は例大祭ですよ。
 というわけで進めていきます同人誌感想。
・伊達の烏天狗 こがねの島(折葉坂三番地)
 いつもの小説サークルさん、今回は折本2冊のレビューです。
 まずは「伊達の烏天狗」、幕末の動乱を駆け抜けた、背中に三本足のカラスを描いた黒装束の男「細谷十太夫」と、彼の人生を日本の動乱の歴史とともに眺めていく文のお話。
 人間と妖怪の話となるとお約束的に出てくるのは寿命の差なわけですが、その寿命の差はそのまま視点の違いのような気がします。
 わたくし人形使いは不勉強でこの「細谷十太夫」なる人物のことは全然知りませんでしたが、英雄にもなりきれず、さりとて悪人にもなれず、ひたすら不器用に生きて行くしかなかった彼の人生も、文というひとりの烏天狗が見守ってくれていたおかげで意味のあるものになったんじゃないかなあと思います。この役割は「新聞記者」というロールを持った文にふさわしいものだったとも感じました。
 次、「こがねの島」。
 こちらはマミゾウさんと能楽で知られる世阿弥のお話。
 読み始めた段階ではこの二人がどういった形で交わるのかわかりませんでしたが、「演じる者」と「化かす者」という構図になったときにはなるほど!と膝を打ちました。
 この構図は取りも直さず、「語る者」と「語られる者」という先述の「伊達の烏天狗」にも繋がる部分を、そして物語=創作そのものにもつながるものを感じました。
 ことに、二次創作という原作ありきの創作というものをこの物語の構図に当てはめて考えると、作者が語りたい物語は原作の枠を超えてはいけないとするとそれは結局原作のデッドコピーになってしまうんじゃないかとか、さりとて自それは分の語りたいことが原作から逸脱してしまうと原作の皮をかぶった別物になってしまうんじゃないかとか色々考えてしまいます。当然こういう問には完全なるひとつの答えなんか出やしないのは百も承知なんですが……。
 大げさな言い方ではなく、改めて自分の創作観を問い直したい気持ちになる一遍でした。
 今日はここまで。
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第18回東方紅楼夢戦利品レビューその13
初公開日: 2023年04月10日
最終更新日: 2023年04月10日
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