(そりゃあね、落としどころ位つくでしょ)
だって2年間だ。365日の2倍。730日。時間に置き換えるなら8760時間。それまでずっともがいて悩んで泣いていれば、どんなに心がしんどいと叫んで、好きだと泣き喚いてもそれを宥める方法くらい身についてしまう。それが悲しいとは不思議と思わなかった。自分の中でこの想いが落ち着いて穏やかな波になるにはまだ時間がかかるだろうけれど、それでも日常生活を送ることくらいなら難なくこなせる。18才にしてそこまで悟りを開いてしまうのもどうかと思ったけれど、自分の長い人生の中でそういう経験があってもいいんじゃないかな、とも思う。この腐れ縁が消えることはないのだろうし、新八にとっての居場所はここであることはきっとこれからも揺るがない。それならばゆっくり時間をかけながらこの想いと別れを告げていけばいい。いつか自分にいい人ができて、銀時に胸を張ってこの人が自分が選んだ人なのだと言えるような、そんな日まで一緒に過ごしていけばいい。
銀時とどうこうなりたいか、というのは実は新八の中であまり重要度は高くなかった。今までお付き合いらしいお付き合いをしたことがなかったからイメージがわかないのも事実だったし、そもそも朝から晩までそばにいる人に対して一体どんな恋愛感情を抱けばいいのかもよくわからない。
一般論としてなら知っているし性に対しての興味だって大いにある。もしもお付き合いとなればそこにはキスがあって、体の行為だってあることを知らないわけではない。ただどうしても銀時と自分がそういう風になるというイメージがつかないのだ。手をつながなくてもそばにいて幸せを感じることなら今の新八でも十分に満たされている。
そもそも新八は銀時への恋心を自覚するまでドノーマルだった。好きなアイドルは女の子だし、文通にドキドキして妄想を膨らませたのも女の子だ。かといって銀子にときめいたかと言われればそれも違う。新八はあくまでも坂田銀時という男を好きになったのだという自覚はあった。