「……で、いきなり出てきてなんの用なのよ」
「実はですね……夢の中にまたおかしなことがありまして」
「また!?」
「また、というか、正確には『まだ』なんですが」
「……!」
 ドレミーのその言葉に、私はなんだかおかしな納得を覚えた。「ああ、やっぱりか」と思ったのだ。
「ええと、ドレミーさん? ばんきちゃんが言ってた夢の中のどうこうって、もう解決したんじゃないの?」
 そう言うわかさぎ姫に、ドレミーはわざとらしい困り顔を作って答える。
「ええ、赤蛮奇さんの夢の中に散らばった記憶の欠片は確かにすべて再収集できました。ですが……」
「ですが?」
「実は、まだ問題が残っていたんですよこれが」
「だから、その問題っていうのはなんなのよ?」
「まあこれは、実際に見てもらうほうが早いでしょう。というわけで赤蛮奇さん、夢の中でお会いしましょう」
 とか言い残して、ドレミーは現れたときと同じように煙のように消えてしまった。いや、何しに来たんだあいつ。
 などと呆れていると、影狼とわかさぎ姫が心配そうに私の顔を覗き込んできた。
「……何よふたりとも。そんな深刻そうな顔して」
「だってばんきちゃん……まだなにか問題抱えてるんでしょ?」
「そうよ、私たちだって心配だわ。ばんきちゃんから話聞いて知ったけど、前のとき私たちはばんきちゃんと出会った記憶を忘れてしまってたんでしょ? それなのに、まだばんきちゃんがなにか問題を抱えてるのに何もできないなんて悔しいわ!」
「ふたりとも……」
 こんなに心配してくれる友達を持ったことに、私は改めてありがたいと思った。それと同時に、前回の騒動で失われかけたものの重要さを、私は改めて痛感した。
 あの夢の中で集めてきた記憶の欠片。そのどれもが、かけがえのないものだった。もちろん、影狼やわかさぎ姫と初めて出会ったときの思い出も。
 
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紅楼夢原稿を書いていきます。
初公開日: 2022年09月15日
最終更新日: 2022年09月15日
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紅楼夢原稿を書いていきます……もう9月も半分過ぎてるじゃねーか……
☕️豆知識
CupofoneshotPLZ!!の当日企画☕️豆知識です。 イベントが終わるまでお題箱で募集してい…
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無人へのお題は『残された希望・君の総てを飲み干したい・夢は夢にしかならず』です。
無人へのお題は『残された希望・君の総てを飲み干したい・夢は夢にしかならず』です。
なしひと