完成が待ち遠しいゲームは山ほどありますが、本作は現在完成待ちのSTGの中でもダントツに期待している作品です。先日めでたくsteamページ完成&steam版体験版が配布されたので、さっそくプレイしてみました。
わたくしかねてより、創作はそもそも二次創作であると思っています。なんか勘違いしてる人も多かろうと思いますが、作品が完全な「無」から生まれることは決してありません。どんな創作物であっても、作者がそれまで触れてきたさまざまな作品や経験などなどを頭の中の魔女の大釜のなかでごった煮にして出てきたものこそが「作品」なわけです。
だからこそ、誰かが作った作品に触れるときには、「作品に込められた作者の好きを知る」という楽しみがあるわけです。
そしていよいよsteamにて体験版が配信された本作「GRAND CROSS:ReNOVATION」ですが、もう体験版の部分をプレイしただけで製作者さんであるRAYNEX氏の「俺はソルジャーブレイドとレイフォースと蒼穹紅蓮隊とレイディアントシルバーガンが好きで好きで仕方ねえんだよ文句あっかボボケェ!!!!!」という情熱というかほとんど怨嗟の声がPCの画面からビンビンに感じられてとてもいい。
これだよこれなんだよ俺が誰かの作品に触れる理由は。「頼まれもしないのにイチから命を削って作品を作り上げる」という偉業を成し遂げた人間の狂気に触れたいんだよ!!
本作の体験版をプレイするのは、メガビットコンベンションでの試遊を含めるとこれで3種類目となりますが、どれにも一貫してソルジャーブレイドが死ぬほど好きということは嫌というほどわかりました。愛の重さと深さを感じます。
プレイヤーにウエディングドレス着てカレーうどん食べさせるレベルの危険行為をやらせる気満々のゲームシステムについては前回の感想で散々書いたので、今回はそれ以外の部分について言及しますかね。
まあ演出については言及しないわけには行きませんよね。
もうゲームを起動して使用言語を決定した瞬間から一気にくお〜!! ぶつかる〜!! ここでライフゲージ全開、太陽剣を右に!って感じで宇宙大バトルが始まります。
ここで最初にいきなりダラダラとストーリーを説明したり長ったらしい会話デモが続いたりすると一気にテンションが下がってしまうものですが、本作は一気にゲームが始まるので速攻でゲームに没入できます。これ、意外に重要なポイントだと思います。
また今回の体験版には、前回の体験版にはなかったボスキャラのセリフなんかも表示されるんですが、これも会話デモ形式にせずにそのままゲーム画面にテキストが表示されるという形式になってます。これによってプレイヤーのゲーム進行によるテンションが断ち切られることなくストーリーも楽しめるわけです。これによって本作では、下手をすると互いが互いの足を引っ張り合ってしまいがちなゲーム進行、演出、ストーリーの3ポイントを同時に無理なく楽しめるようになっていると感じました。
この「ゲーム進行、演出、ストーリーの3点を無理なく楽しめる構成」には「ライフゲージを消耗して常時使える強力な武装」「ライフゲージは急速に自動回復」といった一見緊張感のないヌルゲーになってしまいそうな仕様をあえて選択したことも大きく影響していると思います。
もし本作が一般的な弾幕系STGのような一撃死で武装はショット+ボムといったような仕様だったら、おそらく上記のような「ゲーム進行、演出、ストーリーの3点を無理なく楽しめる構成」は、プレイヤーが死なないように慎重にプレイすることに意識を割かなくてはいけない分量が多くなって、うまく成立しなかったでしょう。上記のような一見ヌルゲーにしか見えないような仕様だからこそ、プレイヤーは自機の操作以外のところに目を向ける余裕が生まれるのだと思います。
また、画面演出が派手だと敵弾や自機が見えにくくなって、結果難しいゲームではなくプレイしにくいゲームになってしまうというケースも多いもの。
しかし本作は、確かに演出は派手で画面のそこらじゅうで派手にやったる!って感じのゲームではあるものの、不思議と自機を見失ったり敵弾が背景に埋もれたりする感じはありませんでした。プレイ中の画面を確認してみると、「大量の敵弾が画面を埋め尽くす」「地形なのか敵なのかわからない」などといったことがなく、しっかり自機の位置を確認できます。
「自機の位置をしっかり確認できる」なんて、一見長所として取り上げるにはあまりにも地味なポイントに思えますがさにあらず。ここを押さえておけば、STGを快適にプレイすることを阻害する要因の大半は取り除けると思います。
体験版を通算3種プレイして改めて思うんですが、本作は本当におとこのこの好きなもの全部盛りになってるなあとしみじみ思います。もうフォントからカッコいい。
レーザー武装が「太陽剣」って名前なのがカッコいい、敵の爆発がカッコいい、エフェクトがカッコいい、BGMがカッコいい。
その中でも今回特にカッコいいと思ったのは、オーバードライブモードを発動すると集中線が出る演出。STGにまさかのマンガ記号を導入するとは読めなかった この海のリハクの目を持ってしても。
これによって演出のドラマチックさが格段に向上してると感じました。「ああっ俺戦ってる!! 俺戦ってるよぉ!!(恍惚)」となれるのでおすすめ。
完成を楽しみにしています。あ、あと個人的にはフルスク対応をお願いしたい。