僕は「虚無」を飼っている。サッカーボール大の真っ黒な生き物のようなもので、大抵2、3センチ浮いている。
僕がどうやって虚無と出会ったかというと、道端に段ボールに入っているのを拾ったとかではなく、ある日僕の体から出てきたんだ。朝起きて、身支度をして、何もする気になれなくてベッドに座ってぼーっとしていたら、胸のあたりからころりと出てきたんだ。
その時から僕はこの不思議な生き物のようなものを飼っている。
虚無と名前を付けたのは、虚無がご飯を食べる様子から名付けた。
虚無が僕の前に現れた日、僕は特に驚くことなく普通に生活をしていた。
いつものように、部屋で何をすることなくベッドに座り壁に貼られた星図のポスターを眺めていた。
いつもと違ったのは、やっぱりちょっと虚無が気になって指でつんつん突いたり、2、3センチ浮いているのを見つけては、その隙間を手を広げて左右に水平に空を切って確かめたりした。
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初公開日: 2020年07月31日
最終更新日: 2020年08月01日
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