自分が十四歳のころなんかほとんど部活のことしか考えていなかった気がする。三郎くんを見ていると、最近の子は賢いなあと思う。いや最近の子というよりは、三郎くんが極端に聡明なんだろう。
「そっか、じゃあ、学校なんかつまんないんじゃない?」
そのほうが安いからと組立てサービスにはチェックをつけずに注文した。しかし届いた本棚は予想以上に大きく、自分一人で組み立てるのは到底無理だと箱を見ただけで分かった。友人や兄弟に頼もうにも、地元から遠いところに引っ越してきたのだ。まだそういうツテがない。途方に暮れていたときに、流していたラジオから「困ったときは萬屋におまかせ!」とコマーシャルが流れてきたのだ。すぐに番号をメモして電話をかけると、快活な声が聞こえてきて耳がキンとしたのを覚えている。
「うーん、つまんないには違いないですけど。通わないといけないものですから」
大人びた話し方だ。天板を支えてドライバーを器用に回す姿は、やっぱり中学生には見えない。
「偉いなあ……ってことは、もう春休みの課題も終わったの?」
「ええ。こういう長期休暇は、できるだけ仕事を手伝いたいので」
くだらないことを聞くな、みたいな顔をされてしまった。
すごいことだ。デリケートな話題なので突っ込んで聞くことはないけど、萬屋ヤマダは三人の兄弟で運営していて、長男の一郎くんもまだ十九歳だという。高校生の二郎くんも中学生の三郎くんも、学校に通いながらお兄さんを手伝っているらしい。
「Gのネジ、取ってもらえます?」
床に散らばっている小さい袋を漁る。「それじゃなくて、その右の。違う、小さいほうのやつです」わたしの手が迷うのを見ながら、イライラした声が降ってくる。やっと見つけた、Gと書かれた小さい紙が入っているビニールを開けて、裸のネジを一本渡した。板の中にねじ込まれて、頭が見えなくなる。また手を差し出されたので、急いで一本渡す。それを繰り返すうちに袋の中身がなくなった。
指示されるままに、部品を渡したり、板を支えたりする。もしかすると三郎くんはわたしの上司より人を使うのがうまいんじゃないかしら、なんて考えているうちに、部品は最後の一袋になっていた。
「もう、あとは一人でできるので、他のことをしてても大丈夫ですよ」
時計を見る。三郎くんの手際がいいのでそこまで時間が経っていないように感じたけど、短針の数字が一つ進んでいた。「わかった、本当にありがとう。片付け始めときまーす」床に