今手掛けているプロジェクトがもうすぐ終わる。
ガルヴァンが資料の角を揃えながらふとそう零した。
それなら、と記念になにか食べに行こうと誘ったのはぼくだった。
彼が黙々とパソコンに向かっている間、ぼくはオフィスのスペースの一角を借りて、新曲のデモを編集したり、衣装の綻びを直したりしていた。そのプロジェクトに自分はなにか貢献できたわけではないが、彼が頑張っていたのを知っている。労うくらいいいだろう。
一度はモーニングコールならぬミッドナイトコールを頼まれた。時差の関係でミーティングが深夜にあったらしい。ぼくが寝る直前に電話をかけると、彼の眠たげなありがとうがなんだか胸にやさしく落ちてきて、ぐっすり寝られたのを覚えている。
初めて会ったときのことは除いて、事実、彼と初めて会社の外で会うのだった。
プロジェクト完遂の週は電話は繋がらないわメッセージは既読にならないわで相当忙しかったみたいで、結局何を食べるかすら決めることができなかった。彼はイタリアン以外で、というリクエストくらいしか聞いていない。ついにその予定の日が来てしまった。予め店を用意しようかとも考えたが、ガルヴァンの好みがわからないという問題に直面して、頭を抱えた。
ケバブは屋台より店のほうが断然うまい