春になると桜が舞うが如く、シゲノアパートメント上空から舞い落ちた二人のパイロットとの出会いをきっかけに徐々に入居者を増やし、今では全部屋満室という、祖父からアパートを譲り受けて以来初の快挙を成し遂げていた。
何もかもが母国と異なるウツノミヤでの生活に、漸く慣れはじめたパイロット達にとって、梅雨のジメジメとした雲模様も勿論だったが、それ以上に夏が堪えたらしい。
段々と外に流れていき、コンロの前で大きな鍋をかき回していたシゲノが目に飛び込んできた。いつもの
「」
フワフワと浮ついた意識の中で、マノックは身体が揺れる様な心地を覚えていた。不思議だったのは揺れる感覚が敵機の後ろに回り込まんと急降下を試みるあの瞬間のようなモノではなく、どちらかと言うと、地がユサユサと左右に揺れている様だった事だ。日本には地震という現象に悩まされているらしいとは聞いていたが、だが何故か、以前にも感じたような気がした。元々高温で乾燥した気候。そして何より日差しの殆ど入り込まない設計が幸いし、コンクリートの独房は随分と暑さに関する対策は万全だった。自由が制限されているという点を除いては、
「っあ゛! や、やめろ、早く抜け!!」
※ 少佐のコンクリート時代は10月ー4月です。