お題 石言葉 指先 後悔
「「…っ!」」
指先に走ったチリっとした痛みに、目の前の彼と同じタイミングで反射的に手を引く。
すると、重力に逆らってそのまま机の上にポトっと落ちた可哀想な消しゴムを眺めていると、「ごめん」と小さな声が聞こえてきた。
その声に惹かれるように俯いていた顔を上げると、男の人にしてが長い金の髪をだらんと垂らしており彼の表情は見ることができない。
…気まずい。ただでさえ大人しくて人と関わろうとしない彼だし、私もほとんど話したことがない。そんな彼に、コロコロと彼の足元に落ちた消しゴムを拾わせてしまったこともだし、さらには静電気まで浴びさせてしまうなんて…「あ、こちらこそごめんね…」授業中っていうのもあるし、心底申し訳ない気持ちでいっぱいだから、だいぶ小声になってしまった。そんな私に前の席の彼は「いや、全然」とあっけらかんとした声でそういった彼は、男の人なのに絹のような綺麗な髪を揺らして黒板に目を向けた。
振り返った瞬間、ふわっと石鹸の匂いが鼻を掠めた。
…朝練あるっていうのに、こんないい匂いなんだ。
そんな私の前の席に座っている、一見ヤンキー風の男の名前は孤爪研磨だ。😄後で変える
頬杖をつきながら、退屈な授業を右から左に流しながら後ろから目が醒めるような金を視界に入れる。
なんか前見た時よりプリンになってるな。
その金に侵食するような黒は😄後でかく
そんな彼を、私は最近気になっている。
1年生の頃も違うクラスで正直彼の存在は知らなかった、でも2年になって同じクラスになった。😄たす
夏の終わりの頃に、金髪になった彼が教室に入ってきた時のことは今でも覚えている。クラスの人ともろくに関わらない彼だし、誰も本人に突っ込むことはなかったけどクラス全員で彼の姿をガン見して、その視線に居心地悪そうな顔色を浮かべた彼はすぐさま俯いて早足で机に突っ伏したその姿を今でも覚えている、😄カエル
😄跡で
なんだか気になる彼の後ろの席を見事にゲットした私は、日々後ろから観察している。
後ろから観察すると、いろんなことを知った。
成績優秀なのに、😄意外にも授業中は不真面目だったり、彼と同じバレー部の山本くんがクラス全体に響く声で「研磨ぁ!!」と言いながら彼の元に来たり、一つ上の胡散臭い顔をした先輩が「研磨ぁー?」とズカズカと孤爪くんの元にきたりと、😄跡で
心底嫌そうな顔をしながらも、ちゃんと話してあげている優しい彼を知ったり、と席が近くなったことで彼のことを知っていった。
なんだか猫みたいな彼を気になってしまうのは、仕方がないことだろう。
😄なんか繋げる
…だというのに、茹だるような暑さにジメジメとした湿気のせいで、冬以来に再来してきた自分の静電気体質にうんざりする。
恋とかではないのは確かなんだけど、彼を観察することは今の私のマイブームだ。
━
キャッキャっと女子特有の甲高い声が河川敷に響く。
友達の一言で急に始まったプチ花火大会。
日もだいぶ暮れてきて、刺すような太陽の暑さは和らいだけど湿気がなんせすごくて、暑くてたまらない。
じわっと滲む汗を片手でぬぐいながら、視線を下げるとなんと信じ難いことに、誘ってくれた友達はこの暑さの中走って、ロケット花火を振り回しているではないか。
「元気だなぁ」
「 もおいでよ!」
ぽつり、と呟いた声は友達の高い声にかき消された。
手招きしている彼女の元に重い足を進めると、ロケット花火を手渡された。😄後で
「あっ」友達の驚いた声が響いた。その視線が向かう先を見ると、なんと孤爪くんとよく孤爪くんに絡みにくる胡散臭い先輩がこちらを見ていた。
「黒尾先輩だ!かっこいい…」
うっとりした顔でそういった彼女をみんなで問い詰めると、なんと彼女は黒尾先輩のことが好きだそう。彼女は顔を真っ赤にして「ファン!ファンだから!」と必死に言っているが、説得力は皆無だ。
😄友達、黒尾よぶ