世界的な環境汚染。
疫病と戦争。
蔓延する遺伝子疾患。
なにが始まりだったかは、もうだれも覚えていない。
誰の予想よりも早く、地球の限界は訪れた。
地球放棄プロジェクト「エクソダス計画」は速やかに実行され――あるいは実行せざるを得なくなり――人類は母星を放棄した。
数百隻の移民船に別れた人類が、その存続のため生存可能な惑星を捜索するのに数世代。
生存条件に適合した惑星のテラフォーミングに数世代。
そして、テラフォーミングの数少ない成功例のひとつであるこの惑星「alternative Terra」、通称「アルテラ」には、かつての地球に存在したさまざまな要素が再現された。
文化、民俗、都市、風俗、気候――そして、戦争。
母星を放棄した人類は、戦争は放棄できなかった。
母なる星から遠く離れたこの星で、人類は戦い続けている。
『警告。前方三機、後方一機(フロントスリーボギー・バックワン)』
「クソったれが! 囲まれたか!」
回避機動を取ろうとした瞬間、前後から放たれた火線が交錯し、右前腕が装備していたアサルトライフルごともぎ取られる。これで使用可能な武装は背部ウェポンラックの中型ミサイル(バラクーダ)4発と左腕部のレーザーブレードのみ。
かろうじて横滑りにブーストし放置された重機の影に隠れるが、その瞬間にミサイル警告が狭苦しいコクピット内を埋め尽くす。