7月も容赦ゼロのラインナップの塚口サンサン劇場を迎え撃つべく、今回見てきたのはこれ。
国民的アニメとしてドラえもんやサザエさんと並び称される作品であるちびまる子ちゃん。
しかし本作は、wikiによれば1993年にVHS、LD化されて廃盤になったあとは配信や円盤化などがいっさいされていない幻の作品とも呼べるもの。
わたくし人形使いは、はるか昔未だ天と地の境が曖昧であった頃に夏休みのTVスペシャルかなんかで見た覚えがあります。あと、劇中の音楽シーンの切り抜きがyoutubeにあったような。
さて本作は、まるちゃんが音楽の時間に習った「めんこい仔馬」という歌をもとに絵を描くことにしたところから始まります。そんな中、まるちゃんは静岡のおばあちゃんのところに行く途中で絵描きのお姉さんと出会います。
本作はいわゆる日常的なお話で、一大スペクタクルや世界を股にかけた冒険といったような作品ではありません。しかし、そんな日常の中での些細な出来事に大きな驚きと感動を見出すまるちゃんの感性を表すかのように、随所で幻想的でサイケデリックな音楽シーンが見どころとして配置してあります。
それらの音楽シーンも、花輪くんに誘われて初めてロールスロイスに乗せてもらったり、絵かきのお姉さんの絵を見て感動したりといった、本当に些細なところで挿入されるのが実にいい。
わたくしのような感性がすり減ったおっさんからすると、子供ってのはこんな些細なことでこれだけの感動を覚えることができるんだなあ……と自らの老いを感じずにはいられません。はーあやだやだ。
音楽シーンには、大滝詠一「1969年のドラッグ・レース」、船越英之がアニメーションを担当する「ダンドゥット・レゲエ」、細野晴臣「はらいそ」、たま「星を食べる」、そして笠置シヅ子「買物ブギー」といった冷静に考えなくてもとんでもないメンツがそろっており、もうほとんどMVみたいな映画でした。
内容の方も、日常の中でのまるちゃんと絵描きのお姉さんの出会いと別れを、「めんこい仔馬」の2番以降の歌詞になぞらえて描いているのがステキです。そこからさらにラストのあのオチまでを描いているのが実にちびまる子ちゃんと言った感じ。
本作は1992年公開の作品なので、アンテナ付きテレビや駅員さんが切符を切ってる改札口など随所に色濃い昭和のかほりが漂っており、わたくし昭和生まれのおっさんとしては血中ノスタルジー濃度の急上昇によるノスタル死に寸前でした。懐かしすぎるわ……。
あと、見てるときに作品とは明らかに関係のない地響きみたいな轟音が上から聞こえると思ったら、シアター4でやってるトップガンの爆音でした。劇場が爆撃されてるのかと思ったわ。