無意識、無自覚、無頓着。
シゲっていつもそうだ。
リハ中だって、それは明白で、ほら、今もあいつに。
「あはっ、まーたシゲちゃんにかき混ぜられちゃった」
うれしそうにシゲに話しかける手越に、シゲも満更でもないような顔。
「仕方ねえだろうが。お前が勝手に俺の方覗き込んでくるんだろうが」
「だってぇ。セリフ言うときのシゲ、めっちゃ色っぽいんだもんー」
シゲの体をベタベタと触りまくる手越が、ちらりと俺の方を見た。その顔は明らかに勝ち誇った様子で、俺のイライラは収まらない。
「ああっ!小山っ!」
今度は小山にシゲが自ら絡みに行く。
「ほんっと、しっかりして?そんな普段から天然出してる場合じゃねーだろうが?!」
「ええ、だってさあ…。仕方ないじゃない?」
そう言ってやに下がる小山もまた、俺の方を見て、ニヤリと笑う。
ったく。
どいつもこいつも。
シゲに翻弄されているというか、無自覚な男に振り回されているというか。
まあ、結局俺も似たようなもんなんだけどさ。
「シゲー」
小山と話し込み、手越にベタベタと付きまとわれているシゲの元へと向かう。
「ん、どうした?まっすー」
「あのさ、この後、用事ある?ちょっと打ち合わせしたいんだけど」
「あ、大丈夫。俺もまっすーに相談したいことあったんだわ」
「そ?よかったあ。じゃあ、終わったら、待ってて」
今度は俺が、小山と手越に優越感たっぷりに視線を送った。2人揃って、ぐっと表情が曇る。
ふふ。結局さー。俺と一緒にいる時間がいちばん長いってことよ。おふたりさん?
「じゃあ、手越、シャワー行こうぜ」
「はーい。もう汗ベッタベタ!シゲ、またボディークリーム貸してねー!」
「おまっ、っざけんなよ?!」
「あははっ、いつものこと、いつものことっ」
手越がシゲと一緒にスタジオを出ていく。もちろん、俺と小山に視線を投げつけるのは忘れない。
「こやまあ…」
「まっすー…」
お互い同時に声を出し、顔を見合わせた。そして、2人同時にため息。
「シゲってさ…」
「無意識でしょ、あれ」
「無自覚にもほどがある」
そして俺たち3人はあの美貌に翻弄されたまま。
いつか、シゲの本当の姿が、気持ちが、奥が知りたい、っていうのに。
The answer is…
俺たちの答えはいつだって、エス(シゲ)。
end
20分で終わってしまいました。
すみません、こんなポエムのようなお話になってしまいまして。
これを画像メーカーで体裁を整えて、出せたら出します。けど、出していいの、こんなのw
というわけでありがとうございました。
ibara