「同僚のよしみで聞いてやる。…何か言いてェことがあるなら言え」
見下ろした先、膝をついた其奴は瞳を細め、ふ、と散る花のように微笑った。
「彼に、伝えて…"彼方で逢いましょう"と」
「…あァ」
刹那、轟く銃声。眉間を撃ち抜かれた其奴は、どう、と仰向けに倒れた。滴る赤につややかな黒髪を惜しげもなく湛え、唇を綻ばせたまま、息絶えたその顔を一瞥、チッと舌打ちをした。まるでこの先の世界で結ばれるのだと、自由になるのだと言いたげな、満ち足りた美しい顔。あァ、反吐が出る。開いたままの瞳から、ひとしずく、涙が伝ったのには見ないふりをした。
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初公開日: 2020年04月18日
最終更新日: 2020年04月18日
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