「あの2人って、付き合ってるのかなあ?」
突然そんなことを言い出した乱を、僕は横目で見る。
本丸の、広い庭の大きい池。その傍らにある東屋から春の景色を眺めていたのだけど、何かを見つけた乱がそんなことを言い出したのだ。
特に恋愛禁止ではないし…結構みんな、自由な感じで恋愛していたりするし…、僕だって好きな人はいるから、おかしい話ではないけれど。乱はこういった話が大好きで、すぐにそんなことを言い出すのだ。
「すぐに、そうやって恋愛ごとに繋げてくるよねえ…で、誰の何の話?」
「あの2人だよ~!」
僕の耳元に囁くようにしてそんなことを言いながら、視線を向ける。乱の大きい空色の瞳に映るのは、
「桑名江さんと松井江さん!…絶対付き合ってるんだと思うんだよね!」
……まさかの、2人だった。
まさかの、というのは、この間、松井から桑名のことが好きというような話を聞いて、「松井は顕現したばかりでわからないかもしれないけど、好きなひと同士はお付き合いをするものです」などと焚き付け、先日晴れて2人が付き合いだしたというのを僕は知っていたから。
2人とも付き合っていることを隠すつもりはないようなのだけど、公表するつもりもないようだったので、そっとしていたのだけど。
……気づかれてる!気づかれてるよ、松井!
気づかれてもいいんならいいけど、もし隠したいんだったら、もうちょっとしっかり隠しておいて!
松井の考えは知らないけれど、いちおう隠したいかもしれない気持ちを考えて付き合っていることを知っていることは黙ったままでいることにする。
「そう?同じ江の刀だし、顕現した時期も近いから、それでじゃない?」
一応、知らないふりをしつつ、様子を見てみた。
「えー!そうかなあ。それが理由だったら、ボクといち兄もそうなったりするでしょ」
「それは、なんかちょっと違うと思うよ、乱」
「じゃあね、見ててよ。ほら、松井さんが豊前さんと話してるでしょう」
江の打刀が3人で話しているのが見えた。豊前のほうを向いて、松井がにこやかに話をしている。
いつもは割と表情の変化のない松井が、豊前とだとなんかにこにこしてたりして…少し可愛い顔になってるなあ、とか思いながらその様子を見ていると、
「…見ててね?」
乱が言うのと同じくらいに桑名が会話に加わり、何かの話で盛り上がる。ここまで声は聞こえないけれど、豊前が笑って、松井が何言ってるの!みたいに桑名に噛みついている。桑名の胸元を軽く叩いて、内番用の服の胸元を掴んでガクガク揺らしているようだった。桑名が、そうとうガクガク揺らされているのが見える。
「松井さんて、いつも穏やかじゃない。でもね、桑名さんにはね、なんていうか…ちょっと違うんだよ~!」
確かに、桑名に対しての松井の態度は雑というか、素というか。作りものではない様子を見せている気がする。
「元気っていうか、そのままの顔っていうかさ、他の皆に対しての顔と違う気がするんだよね!」
「どっちかっていうと、豊前に対する顔のほうがにこにこしてて良い顔なんじゃないの?」
「うーん、大和守さんはわかってないなあ。あの顔は”あいどる”を見てる顔だよ!」
あいどるを見てる顔とは…。一瞬、頭が無になる。
「恋愛の好きと、見てて楽しい好きは違うんだよ!」
「…うん?なんか…よくわからないけど、なんとなくはわかった」
「あいどるにはね、自分のいいところしか見てほしくないっていうか、そんな感じ」
それが、豊前さんに対する松井さんの顔!と乱は言う。
言われてみれば、そんな気もしてきた。あれだな、好きな人に対する僕の気持ちと、沖田くんに対する気持ち、みたいな感じ?ちょっと違うかもしれないけれど、そんな気がする。
「あとねえ…ほら、距離が違わない?」
「距離?」
「松井さんが鼻血出したときとか、桑名さん、何のためらいもなく自分の持ってるタオルで拭いてあげるんだよね」
「……そりゃ、垂れ流すわけにはいかないでしょ」
「いやいや、そういうことじゃなくてね。打刀のお兄さんくらいになると、誰かに拭いてもらわないんじゃない?」
まあ、ボクだって秋田が鼻血出してたら拭いてあげるけど、と乱は続ける。
「たぶん、自分でどうにかしなきゃってなるでしょ?それを、桑名さんは拭いてあげるし、松井さんは拭いてもらうでしょ」
「でも兄弟だったら、するんじゃない?」
「だったら、例えばだけど、宗三さんが鼻血を出しても江雪さんには、たぶん拭いてもらわないよ?」
…まあ、そこは確かに。あー、でも宗三は拭いてもらうかもしれない。
でも普通に考えて、そこは拭いてもらわないことのが多いよなあ。
「うーん、そんなものかなあ」
「そうだって!」
乱の話を聞いている間に、豊前が立ち去り、桑名と松井の2人だけになったのが見えた。
「でも、やっぱりね、」
乱が声を潜めて僕にしか聞こえないような小さい声で囁く。
「2人きりになった瞬間に、あんなふうに立ち位置が近くなるのも、普通じゃないと思う」
「うん」
「手も、繋いでるし」
「……そうだね……」
豊前がいなくなってから、明らかに2人の間にあった距離がなくなった。
手も繋いでるし、その繋ぎ方もそもそも指を絡ませ合ってる繋ぎ方で。普通の兄弟はあんな風に手は繋がない、と思う。
「…実はさ、この間ね、ボク、松井さんに聞いてみたんだよね。桑名さんと付き合ってるの?って」
直球!
「そしたら、明らかに慌てて付き合ってないよ!って言ってたんだけど」
「うん」
「あれで、隠せてるって思ってるんだったら…松井さんって、可愛いなあって思って」
「そうだねえ…」
僕たちが見ているのに気付いているのかいないのか、桑名と松井は手を繋いだまま、畑のほうへ消えていった。以前、嫌がる松井の手首を掴んで畑に連行していた桑名を見たことがあるけれど、今は明らかに違うもんねえ。
「松井もだけど、桑名も可愛いねえ」
「うん」
付き合いだしたばかりの初々しい、人間の姿になってまだ半年ほどの打刀の背中を見送った。
……とりあえず、焚きつけてしまった責任もあるし、あとで松井に、気づかれたくないんだったら、もうちょっと気を付けたほうがいいよ、と伝えておこうと思った。
おわり。おわってしまえ!
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以下めも。
松井は可愛い。
好きな人・好きな刀
ストロベリーブロンドのロングヘアにスカイブルー
恋愛をオープンにする
安定=僕 乱=ボク 
〇〇は仮で、乱ちゃん 大和守さん
▽▽は仮で、安定?でも安定2人が付き合ってるの知ってるからな まあいいかあ
ピクシブの今日のお題は先生
なるほど。こうなるのか。
Twitter連携もなんかわかった。
問題はこのキーボード打ちにくいんだよね……。
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今日は「原作そのままの設定で付き合ってる2人を第三者視点から見た桑名と松井」を書いていきます
初公開日: 2020年04月17日
最終更新日: 2020年04月17日
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コメント
ちょっと偏った思考の、二次創作。くわまつって何?って方は御覧にならないほうがいいかと思います。今日はとりあえず、お試しなので…使い方の練習です。