秘宝の里が終わり新しい刀剣男士が四振りも増えたことで少し忙しくなったこの本丸も、一週間経って落ち着きを取り戻した。今は戦力拡充計画に向けてレベリングを再開している。
まだ寒い日が続き雨が降ることも多い中、本丸を囲うように並ぶ桜は美しく咲いていた。五枚の花弁の根元は桃色に染まり、花びらに伝う雨粒にさえ風流を感じられる。
「主、少し遠出をしません?」
嬉しそうに何かを企む顔をした鯰尾に声を掛けられたのは二日前の事だった。
もともと予定を詰めていたわけでもなく、鯰尾曰く天気予報では晴れると言うので話に乗れば、「ありがとうございます!あと他に四振りいるのでよろしくお願いします!」と元気に言い逃げされた。何となく他の四振りの予想はつく。何処に行くのか、何をするのか。鯰尾からは何も伝えられていない。しかしあれだけいい笑顔をした鯰尾のことだからきっと楽しくなるだろう。
そうして当日の朝、鯰尾が連れてきたのは南泉一文字、山姥切長義、物吉貞宗、後藤藤四郎の四振り。予想通りである。
「主、準備は出来ましたか?」
「ええ、もちろん」
今日はおろしたてのワンピースとスプリングコートを身に纏っている。本丸の外に出掛けることは少ないのだ。久しぶりに太陽が見えたということもあり、気分は上々である。
「じゃあ行きましょう!」
先頭の鯰尾とその少し後ろを歩く南泉と山姥切に続き、物吉と後藤に並んで本丸の門をくぐった。
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初公開日: 2020年04月13日
最終更新日: 2020年04月13日
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